1年ぶりの上海(3) 夜の散歩
仕事が終わったら、再び旧市街へ、地下鉄で20分。
旧市街といっても夜遅くまで繁華な街です。
上の写真は静安寺地区にある知人のオフィスによせてもらったときに撮ったもの。
手前に灯がともっている屋根は、公設市場です。高層ビルの一方で、公設市場もしっかり残っています。
ただ、上海人に言わせると、自分たちはスーパーで買い物をするとのことで、不衛生に思えるこのような市場は、他省から来た人たち(上海市全体で500万人と言われる)が利用するそうです。
戦前からある上海独特の2階建て長屋住宅は、里弄住宅といわれます。再開発の対象になっていますが、このあたりの住宅は由緒あるものだそうで、残される方針だとか。古い住宅は取り壊され続けるだけではなくて、保存・活用する動きも生まれています。
2日目の晩は雨でした。
地下街の出口では、どこから来たのか、「雨傘(ユィサン)、雨傘(ユィサン)」と叫ぶおばさんがいて、傘を持ってない通行人に手にした折りたたみ傘を振ってます。値段は10元(150円)。
そんなおばさんはかっぱ姿。歩いていくと至るところに。このおばさんたちは雨の降らない日は何をしているのか。気になります。
ホテルの最寄り駅「人民広場」駅から東には南京東路の歩行者天国が伸びています。
結構長いので、遊園地にあるようなゴムタイヤのミニ列車が歩行者区間を往復しています。
昔から観光客の繰り出す目抜き通りで、昼も夜もにぎやか。中国の百貨店がいくつも並び、ハーゲンダッツ、スターバックス、珈琲館など、外国の店もたくさん集まっています。
この日は雨なので、路面に光るネオンでさらに明るく感じました。
まだ営業時間内なので、閉店間際の上海書城・南東(南京東路)店に寄り道。
ここは昔、上海で一番大きな新華書店があったところ。そのころから何度も通っています。
表のディスプレイには、ハリーポッターの新刊が並んでいました。相変わらず日本より早い。
拡大するとこんな感じ。
でもそれは買わずに「上海人家」という写真集を買いました。88元(約1300円)。上海に住むいろんな人たちを自分の住む部屋で撮影した写真集。どこかで見たような企画と思いますが、まあ上海人の生活に興味があるので。
ちなみに左は後日、上海書城の本店で購入した「中国中産階層調査」。45元(約670円)。日本では階層分化や下流社会が話題になっていますが、中国では中産階級の台頭が話題になっているようです。他にも類似書が出ていました。
それとともに、書店を見て回ると、ライトノベルらしき装丁の本があったり、インターネット小説のコーナーがあったり、はたまた成功者の伝記や指南本があったり、今の上海が感じられました。
閉店の音楽に追われるように再び夜の上海へ。
歩行者天国のその先には、有名な上海外灘(バンド、中国語ではワイタン)があります。
上海に来るといつも一度はここに来て、今を確認します。
雨の平日とあって、人は少なめですが、こんなときでもインスタント写真屋は営業中。
暗い黄浦江という川をはさんで、こちら岸の租界時代を象徴するアールデコの建築群と、向こう岸の未来的な現代建築はともにライトアップされて光り輝いています。
うまくとれなかったので、雰囲気だけ。
こちらは租界時代の建築。
バーが店じまいをしているところです。
香港資本が上海旧市街の里弄住宅を、2001年に“新天地”としてノスタルジックな街に再開発して、外国人観光客の集まるスポットとして成功させてから、上海人も古い建物の経済価値に気づいたのではないかと思うのですが、この外灘のビルのいくつかも、高級なレストランやブティック、おしゃれなバーなどが入るようになっているようです。
散歩はここで折り返し。
でも夜の散歩で目にしたものは楽しいものばかりではありません。
子供を連れたおばさん、ゴミ袋をかっぱとしてかぶったおばさんの物乞いの一団、そして花束を売る少女たちは何か同業者組織でもあるのではないかと思うぐらい、それぞれ同じような姿で、あちこちで見かけました。
ホテルに戻る頃には、夜の遅い上海の街もかなり明かりが消えていました。
今まで中国ではよく歩くイメージがあり、いったいいくら歩いているだろうと気になっていたので、実は今回は万歩計を持ってきています。外灘まであるいた2日目は26000歩でした。
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