熊野古道と茶粥の旅(2)
熊野古道と茶粥の旅、2日目はいよいよ熊野古道を歩きます。
思案げな曇り空で雨が心配。
今回歩いたルートは捻木峠から潮見峠というややマイナーなバイパスルート(川沿いの道は洪水の危険があるため新たに開かれた道)のため、歩く人の少ない道でした。
でもその分、上の写真のような静かな杉林の道を味わえます。古道に関しては石畳などはありません。
捻木峠に至る道は崖崩れで通行止めになっていました(道ごと流されているのが見えました)ので、マイクロバスの入るところから、林道を歩いて、捻木峠にたどりついてからがスタートです。
捻木峠にはちゃんと(?)、枝の捻れた大杉が立っています。
今回歩いた道で気に入ったのが、下のお地蔵さんです。どこにいらっしゃるか分かります?
拡大した写真も付けます。いい表情でしょう? 岩陰に雨宿りしているようで、心なごみます。
古道を歩いているとき、誰かが茶の木を見つけました。さすがはお茶好きのツアー。
このあたりには自生の茶の木があるという昨晩のレクチャーを忘れていません。
私も気をつけてみていると、潮見峠のほんのそばに茶の木らしいものがありました。
こんな実がなってます。
快適な道歩きを楽しみつつ歩いているとぱっと視界が開けて潮見峠。
熊野本宮側から歩いてくるとここで初めて海が見えたそうです。
私が見てもはっとする眺望なので、たいへんな思いをして歩いてきた昔の旅人はさぞ感激したことでしょう。
潮見峠にたどりつくと、延々舗装道路を下って、またマイクロバスに乗り込みます。
マイクロバスで一気に本宮の道の駅に移動。平成の大合併で、本宮町も今や田辺市です。
昼食後、近くの製茶小屋を見学させてもらいました。これだけ大きいのは元々養蚕用の建物だったそうです。
つまり養蚕が成り立たなくなったあと、桑に代えて茶を植えたということ。
こちらのお茶屋さん、メインは音無茶という緑茶(ほとんど県外用)を作っておられるのですが、地元用に番茶も作っておられます。
私たちの関心はそちらの番茶の方。茶粥に使われるのが、この番茶です。
聞いて驚いたんですが、こちらの方はなんと3食とも茶粥。さすがは本場です。
番茶は農家で自家用に作られているそうなんですが、こちらは茶農家さんですので、たくさん作っておられます。
こちら面白いのですが、手製の釜炒りの機械。なんと自転車の車輪です。モーターとベルトで自動回転。
ほどよくしんなりしたら、むしろの上で手もみします。私たちもちょっと体験。
次の目的地は熊野古道九十九王子(熊野古道のルート上に祭られている祠)の一つ、伏拝王子、というより、その近くの茶園です。
この茶園というのが素晴らしい眺めなんです。鞍のような地形で、伏拝の名の通り、熊野本宮の杜を眺めることができ、反対側でも熊野川を見下ろせます。
NHKの朝のドラマ「ほんまもん」でヒロインの実家のロケ地になっていたそうで、その家のご主人=茶園主がいろいろ裏話を話してくださいました。
私たちの運転手さんのマナーの良さに感心したご主人は、たいへんな人気という番茶作りについて説明していただいたあと、製茶の時期に1ヶ月ぐらい滞在するなら、教えてあげるよなんていう話にまでなっていました。
1ヶ月はともかく、来年はここにお茶作りに来るツアーでできるかもしれません。
このあとツアーは今晩の宿泊地・湯の峰温泉へ。
しかし、名残惜しいのですが、私はここまで。時間がないので、温泉に入ることもなく、もう一人帰る人と一緒に田辺行きのバスに乗り込んだのでした。
お茶というテーマがあったので、ゆったりしながらも、中身の濃いツアーでした。
あちこちでいろいろ約束をしてましたが、誰が果たすのか、その中に私も含まれるのか、楽しみと不安(?)を抱えながら、今回の旅を終えました。
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