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2016年8月

2016年8月16日 (火)

京の夏の旅で住宅見学(京都市)

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毎年季節ごとに開催されている京都の文化財特別公開イベント「京の夏の旅」で、住宅計3ヶ所を見学してきました。
今回、テーマが「学校に残る文化財」「お屋敷・庭園の美」ということです。

開催日時は、7月9日(土)〜9月30日(金) 10〜16時(並河家住宅は〜15時)
(和中庵のみ8月1日(月)〜23日(火))
入場料は1ヶ所600円です。

見に行かれるきっかけになるかどうか分かりませんが、簡単に紹介します。
個人的に気に入った順です。

■藤田家住宅

西陣の帯屋さんです。
上の写真で、手前側が明治期の東棟、奥が昭和期の西棟となっていて、今回の公開部分は西棟です。

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この写真は洋室です。
全体に派手さはなく、目が慣れないうちは分からないのですが、解説をしてもらううちに段々すごさがみえてきます。

洋室から3階までの吹き抜け、数寄屋の座敷を通って中庭まで、夏のしつらえということで簾戸やすだれで仕切られています。風は完全に通しつつ、視線や光はコントロールされているようです。

畳の目の細かさ、簾戸の彩色、各部の材の吟味、引手の遊びなど、教えてもらって初めて気付くことが多々ありました。

非常に京都らしい建物だと思います。
何より、この場で夏の風を感じないと伝わりません。

地下鉄今出川駅から徒歩15分ですので、アクセスは便利です。
平安女学院有栖館までも25分で歩けます(今の季節はちょっと辛いけど)。

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■ノートルダム女学院中学高等学校 和中庵

元々はスキー毛糸の共同毛糸紡績を創業した藤井彦四郎が、大正15年から昭和3年にかけて建設したお屋敷だそうです。
戦後、土地建物はアメリカから来日したノートルダム修道女会に売却され、修道院となりました。
その際、内装は修道院らしい質素なものに作り替えられたそうです。
シスターが高齢化したことで修道院としての役割を終えた後、和風の主屋は取り壊されましたが、洋館・奥座敷・蔵・茶室は、改修工事が施されて、2015年に完成、今回の公開に至ったとのことです。

戦後に改変されたとはいえ、洋館は各所に愛らしい装飾があり、バラの装飾が入った暖炉、天井飾り、床の寄木細工など楽しめました。

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谷をまたぐ渡り廊下でつながる奥座敷は眺めが良く、とくにこの書斎みたいな場所は、ぜひここで過ごしてみたいと思える部屋でした(ここは入れません)。

私は今回、京阪・神宮丸太町駅から和中庵まで歩きましたが、結構遠いので、素直にバスを使った方が良さそうです。
この和中庵のみ、8月23日(火)で公開が終わりますのでご注意ください。

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■平安女学院大学 有栖館

幕末に有栖川宮別邸として建設されたものらしいのですが、完成した時には明治を迎え、宮家は東京に移るということで、結局、京都地方裁判所所長宿舎の一部として移築されてからの期間が長かったようです。
2007年に平安女学院の所有となり、保存されています。

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庭園は2009年に十一代小川治兵衛氏により作庭されていて、座敷からの眺めが良いですが、建物としてはシンプルかなあと思いました。手前の板張り部分は能舞台としても使用できるようになっているそうです。

地下鉄・丸太町駅から徒歩2分なのでアクセスは便利です。


このほか、並河家住宅 並河靖之七宝記念館も公開されていますが、ここは春・秋に一般公開されています。観光協会に公開部分が違うのかどうか問い合わせたところ、「今回は解説がつくのが違い」とのことでしたので、春秋にゆっくり見た方が良いかなと思い、パスしました。

<参考サイト>
 第41回「京の夏の旅」公式HP

<関連記事>
 「有鄰館 日本館の公開」(2015年の京の夏の旅)
 「島原の輪違屋」(2014年の京の夏の旅)

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2016年8月 7日 (日)

瑞浪の近代建築など(岐阜県瑞浪市)

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先月、多治見市笠原にオープンしたモザイクタイルミュージアムを訪ねる機会があり、翌日、瑞浪の街を歩きました。多治見・土岐については2008年に訪ねていますので、今回は瑞浪を紹介します。瑞浪は周辺の街と同じく陶器の街のようです。

瑞浪の駅前は昭和の雰囲気も残しつつ、駅前広場は明るく整備されていました。

>日常旅行日記「多治見60年代」
     「懐かしの土岐」

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駅前にある地図です。
瑞浪の街は中心部を土岐川が蛇行していて、街が分かれています。
昔の空中写真を見ると、旧市街は川の西側と、瑞浪駅の南側の半島状の地域、線路の北側を平行して通る旧街道のあたりのようです。

駅からは東に本町通り、南西に元町通り、新しく南へ公園通りが伸びています。
旧市街を意識しつつ歩きました。

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まずは東の方、駅前を東西に横切り、角度を変えて土岐橋に向かう、本町通りの周辺を紹介します。
こちらはタチ医院です。
診察室と後ろに続く自宅の2階が下見板張りです。

タチ医院HPの「ごあいさつ」によると、ここは昭和9年に建てられた大竹医院という眼科医院で、その後、外科の「桜井医院」の時代をへて、昭和42年からタチ医院となったそうです。
真新しく見えるのは、平成17年にバリアフリー対応改修をされたからで、それでも古い外観を維持されているのはありがたく思います。

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もう少し駅寄りで気になった建物に、犬養産業(株)瑞浪営業所があります。
これなどもサイディングを外せば本体は古いのではと思ってしまいますが、自分の目に補正をかけすぎかも。

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本町通りは、現在の幹線と分かれた後、角度を変えて、一直線に土岐川に向かっています。

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その道の先、土岐川の向こうに洋風建築と黒い建物があり、アイストップとして呼んでいます。
始禄というのはお酒の名前で、元禄時代創業の中島醸造という造り酒屋さんです。

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手前に架かる土岐橋は昭和5年竣工。
洋館とともに味がありますが、点検結果が良くなく、掛け替えが検討されています。

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この洋館も中島醸造さんの持ち物のようですが、使われている雰囲気ではなく、心配です。
こういう立地の建物は街の顔なので、風景として残ってほしいところ。

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壁には面白いタイルが使われていました。
アフリカで干上がった池の底のような。

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さらに先に進んでみました。
広大な酒屋の敷地を周りこむと、正門前からまたまっすぐ道が伸びて、きれいな水路があります。

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さらに歩いて行くと、古い公会堂がありました。
益見公会堂という看板がかかっています。
今も使われている様子。

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瓦は益見の「益」の字入りです。
益見というのは地区の名前です。

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街の東側はこれぐらいとして、次は街の中心部です。

古い町屋はたくさんありますが、寺河戸町のこの洋風住宅が気になりました。
煉瓦積みの塀があり、2階建ての洋風建築から和風の部屋が突き出しています。

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川の西側は元町という地名が見えますのでどうも古そう。
美濃窯業の2本の煉瓦煙突が目立っています。
奥が大正9年の角形煙突、手前が昭和10年の丸形煙突です。
東濃地方に残る最大級の煙突として、ともに登録有形文化財になっています。

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元町通り沿いの、たぶん元散髪屋さん。

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川の西側は河岸段丘になっていて面白い地形です。

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段丘の上には古い住宅もありました。
とくにこの建物、すごく良い洋館付き住宅です。
洋館部分だけが目立つことなく、和館の中に取り込まれています。

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和館にサンドされた洋館付き住宅も。
たぶん、右側の和館は後から建てられたものでしょう。

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戦後のものという感じですが、消防団の消器庫が下見板張りの建物でありました。

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玄関部分が下見板張りになっている建物もあります。
面白い構造ですが、なぜ玄関が2つ?

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これは何ともいいがたいですが、川沿いに目立つ洋風住宅がありました。
新しそうにも見えますが、気になるので参考に載せておきます。

とくにあてもなく訪ねた瑞浪でしたが、いい建物に出会えました。

<関連記事>
 日常旅行日記「多治見・土岐の記事一覧」

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