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2013年6月24日 (月)

竜山石を訪ねて(1)石切場めぐり

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4月末のことですが、以前から訪ねてみたかった竜山石の産地を訪ねました。
現在は兵庫県高砂市に当たります。

今回はJRの宝殿駅からスタートしました。
駅からは周囲の採石された山が見えます。

竜山石は古代から仁徳天皇陵の石棺などにも利用されてきた柔らかい石(流紋岩質溶結凝灰岩)で、江戸時代には姫路藩の専売品となり、関西では近代建築にも多く用いられています。例えば芝川ビルの外壁や、住友銀行本店の外壁(粉砕したものを貼り付けているらしい)などです。

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駅にレンタサイクルがあったので、これを利用しました。
1日300円で利用でき、あちこちに散らばる採石場をめぐるのにとても助かりました。

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JR宝殿駅からは山に向かって一直線に道が伸びています。
入口さえ間違えなければ、迷うことはありません。
(実際にはかなり寄り道しましたが)

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やがて法華山谷川にぶつかり、その向こうに石切場の崖が見えます。
右の丘の上に石乃宝殿で有名な生石神社があります。

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山の下から急な階段が伸びています。

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石乃宝殿を上から。
7世紀に作られた四角い石の塊で、浮いているように見えます。
裏側には突起がありました。

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※クリックすると拡大します

この生石神社の裏山に登ることができるのですが、非常に眺めが良くてお勧めです。
竜山の全体を見ることができますし、海も見えます。

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山上には大正天皇の行幸記念碑が立っていました。

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裏にも石切場と、青い水をたたえた池があります。

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山を下りて、北の方に走ってみました。
小さな採石場があります。

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当然ながら立入禁止です。
今も採石が行われていて、発破作業の警告があります。

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※クリックすると拡大します

地蔵山の採石場は地上から深く掘り下げられていて、これもなかなかダイナミックな眺めです。

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採石場の脇に、記念碑が立っていました。

その裏には次のような文章が刻まれています。


 地蔵山採石場由来記

明治五年正月五日、印南郡米田村島・西口大吉
は長兄与三郎、次兄弥助外数名と協力し、地蔵
山採石場を開設し、土木建築用材並びに彫刻材
を採掘したりしが、爾来約六十年間には屑石各
所に山積し採掘不能となりたり。

偶々昭和六年国道新設に際し大吉の長男正次と
その弟利吉(松下家養嗣子となる)は、○○省
へ採石山の死活問題を訴願して屑石約五千坪を
機動車にて搬出せしめ、新岩石は露呈し、再び
採石場として復活せり。

昭和十三年三月、利吉の兄正次他界し、利吉兄
の意志を継承す。時恰もセメントの需要漸く盛
んとなり、石材業界不振を告げたるため転業者
も続出するに至る。ここに利吉奮起して地蔵山
全山を一手に収めたりしが、採石場には低地多
く、池の如き水溜を生じたりき。利吉は長男・
歳和と協力し、その水溜の水抜作業を企画し、
昭和十六年第一期工事として県道より八尺下に
水抜穴を設け採石せしところ、その品質優良な
るものを産出す。

更に昭和二十六年に六ヶ月を要して第二期工事
としてそれより七尺下に掘り下げ、仍てここに
十五尺下に排水孔を完全に整へたり。また全山
には自動車道路を五條敷設し、愈々石材並びに
屑石の搬出は容易となりき。

近来石材の需要は拡大し、昭和二十七年四月、
更に地蔵山の東南方に位する中山に、採石場を
開設し、昭和二十九年三月には、番所池附近の
道路の拡張を計り、ここにも亦自動車の通便を
容易ならしめ現今に至る。

創業八十五周年を迎えるに当たり茲に記念碑を
建立す。

昭和三十二年五月 松下石材店 松下利吉
              納庄素山書


 ※旧字体は可能な限り新字体に変更しました。
  適宜、改行や句読点を追加しています。
  一部隠れて読めない字がありました。
  不正確かもしれませんので参考程度にご利用下さい。

 明治五年から採掘されているとのことで、興味深い内容です。

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すぐそばには加工場もあります。

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さらに自転車で走っていくと、西村石材の石切場がありました。
この写真では分かりにくいですが、引き込まれた水路があります。

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再び南下して、竜山の石切場を見に行きます。
法華山谷川は護岸工事が行われていますが、よく見ると川に向かって下る道の跡があり、ゲートのようになっている場所があります。両脇にシュロが植えられています。
昔はこのあたりから船積みされていたのでは?などと想像します。

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採石場の跡地は様々に利用されています。
これは倉庫に転用されているもの。ゴルフ練習場もありました。

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竜山の南斜面には、加茂御祖神社があります。京都の下賀茂神社と同じです。
その上に観濤處といういわば江戸時代の展望台があります。


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埋め立てられて海は遠くなりましたが、今も海が見えます。

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尾根に上がると向こうの山の墓地が見えます。
採石場跡が墓地になっている場所も何カ所かあります。
山上に古代の古墳も残っていて、今も同じ利用がされていることが面白く思えます。

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※クリックすると拡大します

観濤處裏の道を上っていくと突然石切場の上に出ます。
目印のロープの向こうは垂直に数十メートルの崖で、足がすくみます。
すぐ歩いて来れますのでここもお勧めです。

古代から利用されながら、今も採石が続いている竜山。
変化に富んだ風景を見ることができます。

次回は周辺の石工の街を訪ねます。



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コメント

 びんみんさん 今晩は!

今日母校応援のためハンカチメモリアムスタジアムへ行きました。
国体(佑ちゃんvsマー君)以来ですから7年振りです(笑)。

前回にも一塁側スタンド後方の石切り場らしきものには気付いていましたが、当時は歴史や街道・神社仏閣には無頓着で、生石神社には気付く筈がありません(汗)。

今回は早く家を出て神社や展望台からの眺望を楽しみました。
(石乃)宝殿や高砂(尉と姥伝説)と云う地名が今ならすんなり入って来ます。

高校野球予選が始まり、私の暑い熱い夏がスタートです(笑)。
二回戦は優勝候補のH学園です(汗)。

涼しくなったら再訪したいと思っています。
ご紹介ありがとう!

投稿: 難波のやっちゃん | 2013年7月11日 (木) 19:50

難波のやっちゃんさま、こんばんは。

ここも予選会場なのですね。
展望台はなかなか良いでしょう?
重ねると同じ場所が違って見えるようになるのも、まち歩きの楽しみだと思います。
いきなり優勝候補とあたるとは大変ですが、良い結果が出ますように。再訪よろしくです。
高砂の街自体も面白そうですが、まだ訪ねられていません。

投稿: びんみん | 2013年7月12日 (金) 02:00

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