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2013年5月

2013年5月30日 (木)

池田市営石橋住宅

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先日、池田市営住宅としては唯一木造の、石橋住宅を確認しに行きました。
戦後の木造市営住宅は扱いにくいのですが、たいがい建て替え計画があっていつ解体されてもおかしくないので、記録として取り上げます。ここも建て替え方針です。

池田市営石橋住宅は、阪急宝塚線・石橋駅の南西にあり、昭和30年から31年にかけて20棟・40戸が建設された住宅です。ぴったり二戸一の住宅が20棟です。

(参照)『池田市住宅マスタープラン<H24年度〜H34年度>』(平成24年3月)

最初の写真は北から南を見たところ。
シュロの木がアクセントになっています。

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逆に南から北。

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北西隅の住宅。屋根を覆うように木が育っています。

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同じく北西部。

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西から東を見たところ。

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既に空き家となった住宅は、板が打ち付けられています。
南側にひさしが張り出しています。

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こちらはまだ住まれてそうな住宅。

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住宅地内にあった公園。

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空き家の庭にも花の手入れをする方がおられるらしく、きれいに咲いていました。

ほとんどの住宅があまり手を加えられずに残り、快適な住環境のため緑のスペースを十分用意していることも含め、まだ全体の計画が分かるのは貴重だと思います。


<関連記事>
 *戦後の市営住宅
 「岸和田の木造市営住宅」
 「鳳の堺市営住宅」

 *石橋近辺
 「石橋の石橋」
 「東洋のマンチェスターから大大阪へ」
 「石橋の下見板の建物」
 「石橋荘園」
 「テーマは海底探検?」(石橋前池公園)
 「玄関のすてきな共同住宅」
 「西国街道の近代(1)石橋〜軍行橋」

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2013年5月29日 (水)

春の香川・島めぐり(10)宇野ターミナル

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直島の宮ノ浦港からフェリーなおしまに乗って帰路につきます。
宇野港までの短い船旅です。

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夕暮れ時の瀬戸内をデッキから眺めながらフェリーは進みます。
島にはさまれて、川を走っているようです。

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直島の海岸に沿って走るフェリーからは、直島のもう一つの面が見えます。
三菱マテリアルの施設です。

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黄色いダンプが荷台を傾けると、一際黒いもの(石炭?)がさーっと下っていきます。きれいなのですが、崩れないのかと遠くから見ているだけでぞくぞくします。

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宇野の港が近づいてくると、高い煙突が目に入ります。
おばけ煙突と呼ばれている、宇野(火力)発電所の大正8年にできた煙突らしいです。

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宇野港に入港。
高松から船を乗り継いでの瀬戸内海横断です。

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港には、ののちゃんの街の看板がありました。
いしいひさいちさんの出身地です。

玉野市って、合併した日比町「玉」地区+宇「野」町で玉野なんですね。
玉野という地名があるのかと思っていました。

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まだ明るかったので、少し宇野の街も見てみることにしました。
まずフェリーから見えて気になっていたエルピーガス販売(株)玉野支店。
1階の上の部分にレリーフの連続模様があります。

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街の中心にある玉野市文化会館BAUHAUS。バウハウスと命名するとは。旧中国銀行宇野支店らしいです。中国銀行は新しくても同じ感じなので分かりにくいのですが、微妙にラインの装飾が多い?

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玉野市文化会館のある東西の通りは西で折れていて、そのアイストップの位置に三宅医院があります。

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四角の連続が美しい玄関。

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脇の扉も良いです。きのこキャラみたい。

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裏には和館もつながっていました。

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その隣にある建物も一応洋館付き住宅でしょうか。
洋風の門もきれいです。

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なまこ壁の蔵も附属しています。

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非常に凝った格子窓。

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時間の関係で深くは探訪できませんでしたが、昭和の町並みが残っています。

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宇野駅は、宇高連絡線が廃止されてから小さく建て直されています。
もともと駅舎は線路に平行していたのが、現在は線路の突き当たりになりました。四国につながる通過点から、行き止まりのターミナルとなったことが強く意識されます。

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ここから電車で家路につきました。

瀬戸内国際芸術祭はまだ夏と秋の会期が残っていますので、改めて島をめぐりたいと思います。
芸術祭の記事を期待された方には内容薄くてすみません。
お読みいただいてありがとうございました。


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2013年5月28日 (火)

春の香川・島めぐり(9)直島サイクリング

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男木島からは高松に戻るのが一般的なルートですが、今回は1日1便だけの高速船で直島に移動しました。

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高速船でも500円。安い。
この距離だとそれぐらいなのでしょうか。

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しかし、残念ながらお客さんは少なめ。
もったいないなと思います。

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直島の宮ノ浦港に到着しました。
92年に安藤忠雄さんの建築展で直島を知って以来、気になりながらも初めての上陸です。

宮ノ浦港には道の駅「なおしま」があり、芸術祭の中心らしさが漂っている場所ではないかと思います。(そう言い切れるほど回ってませんが)

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直島の観光エリアは、玄関口の宮ノ浦と、島の中心だった本村、アート施設のベネッセエリアに分かれています。(観光以外では三菱マテリアルエリアもありますが)

春会期には宮ノ浦の作品はあまりなくて、島の反対側にある本村を目指します。
エリア間の移動は徒歩では大変なので、レンタサイクルを借りました。本村に行くならこれで十分です。

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レンタサイクルのかごに地図が貼ってあって、よく考えられています。

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本村の入口にある家プロジェクトの「はいしゃ」に寄ります。
外観からは想像できないような内部です。
家プロジェクトは空き家などを改修して芸術作品にしたもので、芸術祭以前の1998年からスタートしたそうです。現在7軒。

やはり直島は観光客が多い。

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本村の中心部には洋館付き住宅がありました。

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塀や扉も含めていい感じです。
芸術祭には関係ありませんが。

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本村の漁港。
目の前に向島が見えています。
いずれこういう島も会場になるのでしょうか。

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本村には古く懐かしい町並みがあります。
三分一博建築構想展で、この本村の成り立ちについての解説映像があり、参考になりました。

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観光地化されていて、こんなお店やカフェなどもあります。
観光客も行き交っていました。

ただ、春の人出はまだましだったようで、各作品、並ぶことなく見ることができました。
暗闇の中に淡い光を見るジェームズ・タレルさんの「バック・サイド・オブ・ザ・ムーン」がやはり印象的。

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町並みはきれいに整えられています。
この小石を積んだような塀が面白い。

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神社も作品化されています。
境内を掘ってしまうとは大胆な。

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ベネッセエリアは今回時間がなかったのでパスして、宮ノ浦に戻りました。
直島銭湯は眺めるだけ。宮ノ浦の路地も良いです。

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レンタサイクル店の壁に、アートの島になる以前の直島地図を見つけました。
直島にも島四国があるのですね。

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道の駅「なおしま」。
非常に現代的な建物です。

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ちょうど高松行きのフェリーが出発するところでした。
一列に行列。宇野より高松に帰るお客さんの方が多かったのは、香川県内の観光客が多かったのでしょうか。

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港にぽつんと草間彌生さんの赤カボチャ。
私ももう帰る時間です。


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2013年5月25日 (土)

春の香川・島めぐり(8)男木島の斜面から

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男木島灯台を見に行った後は、アート作品の点在する集落の中を歩きました。
海からほとんどの家が見えているように、ほとんどの家からも海が見えます。

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歩いていて気付くのが廃屋の多さ。
空き家をイベント会場に使っているのですが、それでもなお使われていない家屋が残っています。

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集落は斜面にぎっしりと連なり、細い坂道が間を縫っています。
次々と変わる景色は旅行者には魅力的です。

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展示会場に使われていた蔵。
ガラスビンに入った思い出の写真が無数に吊られていました。
結婚式の記念写真が多かったような気がします。

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潜望鏡のような作品。
ここでも島からの眺めが活かされています。
伝声管を使えば遠くの誰かと話ができるようです。

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こんな感じにパイプが這い回っています。
海を眺める広場では地元のおばあちゃんが明るく話しかけてこられました。

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また壁をペインティングした作品もあります。
豊玉姫神社の鳥居やその向こうの海も含めて作品になっています。

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豊玉姫神社は遠目に見るとこのように斜面にぴょこっと突き出たピークになっていて、ここに神社を置くのも当然と思えます。

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※クリックすると拡大します

集落のあちこちには男木島の昔の写真が紹介されていて、昔の風景や風習を伝えています。

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坂道にオンバ(乳母車。手押し車)が停まっていました。
オンバプロジェクトによる作品の一つです。

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島では車の通れない狭い道が多いので、物を運ぶのにオンバが活躍しています。
オンバファクトリーでは、2010年の芸術祭の時から、このオンバを所有者の希望なども聞きながら修理やペイントをして、作品化されています。

三重県の答志島でも「じんじろ車」という手押し車を見ました。
名前は違っても、同じような環境で同じようなものが使われているのですね。

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窓から女木島が見える家。
模型作品が外の風景につながっています。

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火の用心と書かれた風呂釜の点検口?

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この島でも2010年から休校中の男木小中学校が展示会場になっていました。
空き家にしても、休校中の学校にしても、社会問題が芸術祭にリンクしています。

壁に書かれたPSS40というのは、ここで展示をしている昭和40年会という芸術家グループの学校を意味しています。大人が学べる男木学校。教室を使って楽しそうにされています。
有名な方では会田誠さんも。

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島の祠。
時代劇で宿を取れなかった旅人が泊まりそうですね。

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斜面が多いので、少しでも平地を確保するために石垣が積まれています。
この石垣の反り方はすごい。

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石は様々なタイプが混ざっています。
黒くて表面の白いのは本場讃岐のサヌカイトでしょうか。
キンキン鳴らして遊んだのを思い出します。

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この会場もまた海を借景しています。
遠くに見える大槌島。
みな同じことをやりすぎな感もありますけど、やはり窓から海が見えないと男木島らしくないのかなとも思います。


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<関連記事>
 「春の香川・島めぐり(7)男木島灯台へ」
 「春の香川・島まぐり(6)絶景の女木島」
 
 ○各地の学校を舞台にしたアートイベント
 「西宮船坂ビエンナーレ2012(1)旧船坂小学校」
 「新潟さと歩き(8)土の学校」
 「新潟さと歩き(10)絵本の学校」
 「木津川アート2012・校内編」

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2013年5月24日 (金)

春の香川・島めぐり(7)男木島灯台へ

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女木島の後は、フェリーで男木島に向かいます。
これも20分ほど。
最初は島の裏側が見えていて、最後に南端の岬をくるっと回り込んで港に到着します。

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女木島から男木島は230円。
やはり生活路線なので安いです。

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男木島は女木島と対照的に、集落が斜面に張り付いているため、ほとんどの家が見え、村人総出で出迎えられているような感覚があります。
人も多く感じられました。

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港に停まっていた一般廃棄物運搬船。
これぐらいの船で運べるのでしょうか。

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港から豊玉姫神社の鳥居があって、参道になっています。
豊玉姫は乙姫様とも重なるようです。鬼ヶ島の隣が竜宮城って面白い。

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ほとんどのアート作品は男木港周辺にあるのですが、この機会なので、島の北端にある古い灯台をめざします。片道30分のハイキングです。

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ここでもたこつぼが干してありました。
港に青空市が出ていて、たこめしを買いました。

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集落は坂と路地の世界です。

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ハイキングコースは海岸沿いののんびりしたルートです。
遠くに見える三角の島は、大槌島。この真ん中を岡山・香川県境が通る、県境の島です。

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茅?のトンネルを通って。

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向こうに見えるのは左から、柏島、直島、向島、井島だと思います。

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瀬戸内国際芸術祭のサイン。
青系統と白黒が基調です。

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道の突き当たりに灯台と宿舎が見えてきました。

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男木島灯台。
日清戦争後の海運助成策により設置されたそうです。
明治28年に点灯されて、今も現役です。
香川県の庵治石を主体とした御影石造りの洋式灯台とのこと。
灯台守を描いた映画「喜びも悲しみも幾歳月」にも登場したそうです。
小さいけれど味があって、ここまで歩いてくる値打ちがあります。

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隣の灯台職員宿舎(第一待機所、住居)は資料館になっています。
きれいに改装されていて古さを感じません。
平面図を見ると事務室をはさんで全く左右対称で台所が2つあり、2家族が住めるようです。2交替制に対応?

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さらに隣の建物。

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灯台の横は砂浜でベンチもあり、豊島との海峡を通る船を眺めながらたこめしを食べました。
この穏やかさは瀬戸内ならではですね。


<関連記事>
 「春の香川・島めぐり(6)絶景の女木島」
 「友が島灯台と第1砲台跡(和歌山市)」
  

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2013年5月19日 (日)

春の香川・島めぐり(6)絶景の女木島

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瀬戸内国際芸術祭2013で香川を旅した話ですが、ようやく島に渡ります。
高松港からは、岡山、小豆島、その他瀬戸内の小島へのフェリー・高速船がひっきりなしに出入りしています。こんなに客船が活躍している港は日本でも少ないのではと思えます。
私の乗ったのは女木島・男木島に向かうフェリー「めおん2」です。

朝の便で、瀬戸内国際芸術祭のスタッフも多くがこの船で出勤されるようでした。
観光客も含めて船はデッキまで人でいっぱいです。
前回の瀬戸内国際芸術祭では、航路によって積み残しが出るほどだったそうですが、こういう形でフェリーの利用が増えるのは、島の足の確保という意味ではいいのかもと思いました。

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高松の街を見送りながらフェリーは進みます。
港とともにある街は海から見るのが良くて、うれしい機会です。

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高松から女木島はわずか20分の船旅で、料金は360円。
女木ではなく、行き先表示は観光地としての「鬼ヶ島」になっています。

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島に着くと、いい感じに錆びた浮き桟橋があります。
ほんとはアート作品なども目立つのですが、まだ会期中なので、ネタバレはやめておきます。

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※クリックすると拡大します

女木の集落は冬の季節風を避けるため、オオテと呼ばれる高い石垣を立てていて、これが女木島の名物です。石垣ごとに石や積み方が違うようで、色が様々です。
家がほとんど見えないので、来訪を拒まれているようにも見えてしまうのですが。

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女木島は鬼ヶ島伝説の島として知られ、鬼の洞窟が山頂(島に2つあるピークの1つ)付近にあります。これが島で一番の観光資源です。

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芸術祭作品はほとんど女木港周辺に固まっているので、洞窟に行かないという手もあるのですが、ほとんどの観光客はフェリーを降りるとすぐ洞窟行きのバスか、レンタサイクルの行列に並びます。電動自転車はあっという間に出払って、私はバスに乗ることになりました。往復で600円です。

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山頂までは10分ほど。
茶屋があって、瀬戸内の絶景を眺めながら1皿100円のきびだんごも食べられます。

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大洞窟の入口。入洞料はパスポート割引なら300円。
大正3年に発見され、昭和6年に公開されました。洞窟は手堀で、紀元前100年頃に造られたようです。洞窟は延長400mで結構広いです。由緒地を求めていた桃太郎伝説と結びついて、鬼の洞窟として観光地となりました。

 >鬼ヶ島観光協会「鬼ヶ島大洞窟」

洞窟の中には鬼の人形なども飾られていますが、客観的に史跡としての考証をした解説板もあり、伝説か歴かどちらかに立場を決めかねている風でもありました。
内部では芸術祭の映像作品も展示されています。

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洞窟は別に出口もあり、出口の上に柱状節理があります。
溶岩が冷えたときに、きれいな形に固まったもの。地質的にも面白い島です。

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山頂から眺めは非常に素晴らしくて、瀬戸内海が見渡せます。
北には男木島、その向こうに豊島が見えます。

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※クリックすると拡大します

南側は女木島のもう一つのピークと、海峡を挟んで高松の街が見えます。
ちょうど高松行きのフェリーが出航していくところです。
こうして見ると近いでしょう?

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バスはまた港に下っていくのですが、途中の住吉大神宮の前で降ろしてもらえます。
やはり住吉さんなのですね。
瀬戸内海でちょくちょく見かける備前焼の狛犬が座っています。
「明治十六年 未五月吉日 木村六郎平造之」と刻まれています。木村六郎平作の狛犬は、岡山県の岡山市、赤磐市、瀬戸内市などで確認されているようです。
100年以上風雨にさらされているのに非常にきれいです。

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芸術祭の会場の一つは、平成17年に休校になった女木小学校です。島の人口は200人で、通う小学生がいないからとのこと。残念ながら内部は撮影禁止です。瀬戸内国際芸術祭は撮影禁止の会場が多いように感じます。じっくり作品に集中できるという意味では良いのですが。

他に民家の中庭を利用した面白い作品などもありました。

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積み上げられたたこつぼ。
次に訪れる男木島もたこ漁が盛んなようでした。

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島といえば井戸(水)が大事。
共同の井戸だったようです。
漁具を洗ったりしていたのかもしれません。

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集落の民家。これは分かりませんが、やはり空き家は多いようです。

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こういう壁を見ると芸術作品かと思います。

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島には香川大学の女木島しまなか研究室があります。
芸術祭で、愛知県立芸術大学もプロジェクトを行っていて、私が行ったときもお茶会をしていました。もう少し時間があれば参加してみたかったのですが。

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この女木島しまなか研究室の建物、塀の装飾が面白いです。

観光施設を除いてあまり島の方をお見かけしなかったのが残念ですが、この島特有の風景があって興味深い訪問でした。


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2013年5月17日 (金)

春の香川・島めぐり(5)高松の北浜アリー

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※クリックすると拡大します

他の話が間に入ってしまいましたが、瀬戸内芸術祭の話の続きです。(まだそこまでたどり着いていませんが)
坂出での途中下車の後、列車で高松に移動しました。
宿泊したホテルは東の方だったので、海岸沿いを歩いて、途中、北浜alley(アリー)に立ち寄りました。(写真は翌朝です)

北浜アリーというのは、昭和初期のJA倉庫を改装して2001年に開業した商業・イベント施設です。地元の井上商環境設計株式会社が、JAと香川県に話を持ちかけて実現しました。目の前の高松港を経由する農作物の一時保管場所だったという歴史があります。

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※クリックすると拡大します

さびさびの波板に覆われて、きれいにしすぎていないところが良いです。

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こんな感じで、外観は倉庫のままで、中はおしゃれなお店です。

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感心したのはこの室外機の扱い。
新しい室外機をわざわざ、さびさびの波板で覆っています。
それでいて、室外機をはめこむ切り取りのシャープなこと。
さびているけれど、汚くは感じさせません。

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このように溶け込んでいます。

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JA倉庫は4棟あったうちの3棟を残し、1棟は骨組みだけが残されました。
このために変化ができています。

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一方、裏手に回るとここにも古い建物があって、有効活用されているようです。

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そのさらに隣は、設計会社の分室です。

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古い扉に味があります。

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また南にはもう一つのJA倉庫があります。
こちらはギャラリーやショップなどに使われているようでした。

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夜は夜でいい雰囲気です。

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駐車場は隣の倉庫。

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骨組みだけのスペースは、夜になるとこんな風に照明されて、イベントなどに使えるようになっています。

北浜アリーのホームページの説明を読むと、コンセプトに「都市の歴史を語る」「ヒューマンサイズ」「ウォーターフロント」「身の丈」「郷愁」などのキーワードが出ています。新しくぴかぴかで、ヒューマンスケールを超えた場に対抗するように。

「伝統が街のシンボルになりえたら、それを求めてくる人々が増え、保存の問題も解決されるのです」ともおっしゃっています。実際に賑わって、保存活用できていることは素晴らしいことと思います。しかも周囲の古い建物も巻き込みつつ。

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話が飛んで、帰りに立ち寄った宇野には、駅東創庫というアートスペースがありました。
時間の関係で、あるのを確認しただけなのですが、こちらは築40年のジーンズ染色工場を改修しています。

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直島のアートや対岸の高松・北浜アリーなどに照らされているかのよう。倉庫など古い建物が様々なパターンで活用が進むと良いなと思います。大阪の築港赤煉瓦倉庫のことなどが思い出されました。


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2013年5月14日 (火)

旧ジョネス邸の内覧会に参加(神戸市)

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5/11(土)、神戸市垂水区塩屋の旧ジョネス邸で内覧会があると聞き、せっかくの機会ですので出かけてきました。塩屋駅を海側に出るともうそこ。
このあたりは山が海に迫っていて、JR山陽本線、国道2号線、旧ジョネス邸があって、もう海です。

この駅近かつ海が眺められるという立地のため、旧ジョネス邸を解体してマンションを建てる計画があります。既に隣はマンションですが、これを上回る10階建てのマンションです。

ただ、所有者のあなぶき興産は、6月末までに3億6000万円(取得金額にモデルルーム建設費、設計料等々加えた額)で購入する目処を付ければ売っても良い、採算性のあるビジネスを提案できれば貸しても良いとの意向だそうで、同社のご厚意で今回の内覧会となったそうです。もしかしたら次回もあるかもしれません。他のケースよりは協力的かと思います。

 詳細・経緯については→ 旧ジョネス邸を次代に引き継ぐ会(KJHK)

(追記)
 第2回の内覧会が、6/15(土)に開催されるそうです。
 今回は旧グッゲンハイム邸、旧後藤邸も公開。シンポジウムもあります。
 →詳しくはこちら

(2013.5.28記)

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私の着いたのは夕方でしたが、見学者は絶え間なく訪れていました。
ご近所の方は外から眺めていても、中に入るのは初めてという方も多かったのではと思います。
この日一日で500人以上の方が訪れたそうです。

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※クリックすると拡大します

ちょうど雨がやんでいたので先に外観を見に行きました。
建物の南側(海側)は広い芝生の庭になっていて、大きなフェニックスが2本立っています。

英国人貿易商のジョネス氏は、大正8年に今より500m東の海岸にこの和洋折衷の洋館を建てたそうです。塩屋のあたりはもう一つの異人館街でした。

ジョネス氏は第2次大戦が始まると国外退去となり、弁護士の山田作之助さん(故人)が取得しました。国鉄の線路拡幅で取り壊しの危機にあった昭和38年に、この場所に移築されたそうです。相当な金額がかかったと思いますが、そうまでして残そうと思ったのですね。

また山田さんは塩屋でのマンション建設に反対し、塩屋の良好な環境を守るために尽力された方だそうです。そんな話は港まち神戸を愛する会の中尾嘉孝さんから伺っていたのですが、私が見に来るのは初めてです。

改めて建物を見上げると、柱のてっぺんが寺院建築の斗栱(ときょう)のようで、また屋根の裏にも垂木のようなものがあってユニークです。構造的な必然性はありません。「擬洋風」の逆の「擬和風」という説明になるほどと思います。
英国人からの日本趣味なのですね。

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南には庭に降りる扉と階段があります。
庭でパーティーなども開かれたのでしょう。

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さて、再び入口へ。
車寄せを6本の柱が支えています。
阪神大震災後は、支えが追加されています。
列柱の面白いのは、石を彫るのではなくて、単純な柱に漆喰かなにかでアカンサスのレリーフを追加してあるのですね。

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玄関灯には和風の花模様が入っています。

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玄関は来場者の靴でいっぱい。
これは帰り際に撮ったのでまだ少ないですが、ブルーシートの所までいっぱいでした。

今回、企画をされたのは、塩屋まちづくり推進会旧ジョネス邸を次代に引き継ぐ会(KJHK)の皆さんで、事前のお掃除をされたり、当日の会場案内をされていました。

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玄関はいきなり和風で、折上げ格天井です。
これを玄関に持ってくるとは。

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玄関前にはホールがあって、その向こうは庭に面する居間です。

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ほんとはホールと居間の間には、大きなステンドグラスが2枚はまっていたのですが、保存のためか神戸市が持って行ったそうです。この場でみられずに残念。
ステンドグラスがあったときの写真を並べていただいていました。

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向かって左は応接室です。
ここが一番豪華な部屋で、見事な彫刻の家具で囲まれています。

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例えば、この椅子。
国産の横浜家具だそうです。

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鏡付きのキャビネット。
(正確には何と呼ぶのでしょう)

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※クリックすると拡大します

かなりこってりと彫刻で埋められています。

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洋風かと思いきや、竹に雀という純和風のモチーフも盛り込まれていて、ここでも和洋折衷です。

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1階には台所や風呂場、座敷などもあるのですが、長くなるので省略して、2階に上がります。
(地下室もありますが、今回は非公開でした)
階段の親柱。シンプルですが、象嵌があります。象牙かもとのことでした。同じような象嵌が窓枠にも使われています。

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2階の書斎。山田氏の法律書もそのまま残っていて、仕事部屋だったようです。
ここにも立派な彫り物の暖炉、テーブル、椅子、本棚があります。

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2階の南側は、海を眺める気持ちの良いスペースになっていました。あいにく今日は海が霞んでいます。

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その隣には和室が2間。

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欄間は波に千鳥。

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ふすま絵は、モダンデザインの松林。
このデザインすごく気に入りました。

この家自体が海岸にありながら、松林を部屋の中にも取り込んでいます。他にも松林の油絵などが飾られていました。ジョネスさん、この環境を満喫されていたんですね(山田さんの方かもしれませんが)。

見れば見るほどすごいお屋敷です。

あまり関わりのない私が偉そうなことは言えませんが、この建物を活かすよりマンションを建てた方がいいという価値観は変わってほしいなと思います。塩屋のブランドを販売に活かしつつ、ブランドを下げるような開発(海への眺望が遮られる)をするのもどうかなと思います。幸いマンション会社が協力的なので、無事に活用の道が開かれることを期待したいところです。

買い手を見つけるために、ぜひ広めてくださいとのことでしたので、微力ながら記事にしました。
スタッフの皆さま、あなぶき興産さん、この機会をありがとうございました。

旧ジョネス邸の保存活用の運動については、下記のリンクをご覧下さい。

 旧ジョネス邸を次代に引き継ぐ会(KJHK)
  同会の旧ジョネス邸保存要望の署名ページ
 
 塩屋まちづくり推進会ブログ
 塩屋百景「【号外】旧ジョネス邸保存を!」
     「5/11(土)旧ジョネス邸内覧会(保存活用求む!)」


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2013年5月12日 (日)

旧伊庭家住宅のディテール(近江八幡市)

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近江八幡市の安土で、春の特別公開が行われている旧伊庭家住宅(大正2年、ヴォーリズ設計)を見学した記事の続きです。
前回は引手を紹介しましたが、今回はそれ以外のディテールを紹介します。

まず暖炉まわりから。
暖炉には4種類のタイルが使われています。

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中でも目を引くのが床面のモザイクタイル。
こんな暖炉は初めて見ました。
教えていただいたところでは、京都の泰山タイルらしいです。

泰山タイルは大正6年創業らしいので、そうだとすると後の改修?

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こういう赤絵風のタイルもあって楽しい。

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暖炉の上の縁にも植物文様のタイルが使われていて、それ以外にはボーダータイル、熱を受ける部分にはたぶん耐火の白いタイル(か煉瓦)が使われています。

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2階のアトリエには、もっと素朴で荒々しい石張りの暖炉があります。

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次に照明器具。
シャンデリアは陶器製で面白いのですが、本体は明らかに新しいですね。
陶器部分は元からあったのでしょうか。

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暖炉脇にも同じデザインで、単体のランプです。

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階段室の天井には切り子のガラス照明器具。

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2階の和室に手毬状の切り子のガラス。

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2階廊下にはスズラン(?)のランプ。
こういうアールヌーヴォーな茎のデザインは玄関灯で見たことがあります。

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2階寝室のガラスランプ。
これはよく分かりません。

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続いては階段の親柱。
近代建築を見に行くと必ず見るところです。
装飾はありますが、ごくシンプル。

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階段室の壁面。
所々に刷毛目を走らせているのが面白い塗り方です。

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欄間は至ってシンプル。
これはこれで高い技術がいるという説明をしていただきましたが、よく分からず。
ちょっとでも歪むと目立つのは確かです。

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最後に大理石の洗面台です。
足がぶつからないように前面部が斜めに後退しているのがよく考えられているなと思いました。

床の間なども凝っていますが、ほかのディテールは皆さんでお確かめ下さい。

6/2(日)までの毎週日曜日10〜15時まで公開されています。

<関連記事>
 「旧伊庭家住宅を見学」
 「旧伊庭家住宅の引手コレクション」

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旧伊庭家住宅の引手コレクション(近江八幡市)

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前回は、ヴォーリズ設計の旧伊庭家住宅について、全体的な紹介をしましたが、今回と次回はディテール編です。

和風建築を見る時に私がいつもチェックする箇所があって、それは「ふすまの引手」、「釘隠」、「欄間」、「床の間」です。今回、恐らくお住まいだった伊庭慎吉氏が風流人だったからでしょう。引手に見どころがたくさんありましたので、まとめて紹介したいと思います。

まずこの引手。
風合いからいって七宝焼きに見えるのですが、どうでしょう。
とても細かく渦巻きが描き込まれています。

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こちらは、付け書院にあった地袋の引手です。
漆塗りのような質感です。
この写真でも実物大より大きいぐらいで、非常に細かな描画です。
盆栽のようにも見えます。

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一転、非常にシンプルな引手。
「光琳梅」と呼ばれるデザインのようです。
秋のふすまに描かれていました。なぜ秋のふすまに梅なのか不思議です。

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裏側の春のふすまにはこういう引手です。

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奥の和室にあった引手。
花柄と思っていいでしょうか。

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同じく奥の和室の引手。
引き開ける取っ手が、スライドロックのつまみも兼ねています。

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柿のヘタを思わせる引手。
色も柿渋色です。

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これは新しいものに見えますが、釘は古いですね。

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最後に2階のアトリエ入口の引手。
どうも系統が違うような凝った引手です。
どこかで骨董を入手してきたようにも見え、非常に細かい細工です。

旧伊庭家住宅にいらっしゃる機会がありましたら、ぜひご確認ください。

この春は6/2(日)まで、毎週日曜日の10〜15時に公開されています。

<関連記事>
 「北の玄関・伏木港(2)北前船資料館」
 
 「旧伊庭家住宅を見学」
 「旧伊庭家住宅のディテール」
 
<関連サイト>
 安土町観光協会「旧伊庭家住宅」 ・・・公式

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2013年5月11日 (土)

旧伊庭家住宅を見学(近江八幡市)

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安土にあるヴォーリズ設計の旧伊庭家住宅が公開されていると聞き、連休中に出かけてきました。
例年、春と秋には一般公開されているそうです。
今年はまだ6/2(日)まで毎週日曜日の10〜15時に公開されていますので、ご興味を持たれた方はぜひ。

詳しくは > 安土町観光協会「旧伊庭家住宅」

旧伊庭家住宅は安土駅を東側に出て徒歩10分、集落が途切れそうな所にあります。
山をバックにのどかなところです。

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入口は西角にあって、これは昭和初期の増築部分だそうです。

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屋根は天然スレート葺きなのですが、きっちり四角に整形してあって、結構手間なのではないでしょうか。
(東京駅屋根と同じ雄勝石とのこと)

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今年は伊庭家住宅が築100年で特別なのだそうです。
一時は解体の危機にあったのですが、篤志家の寄付で修繕され、こうして時々公開されています。(そういう特別な個人がおられないと残らないのでしょうか)
最近ではアニメの「中二病でも恋がしたい」のロケ地の一つとして聖地になっていると、行ってみて初めて知りました。

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入口を入ると瓦敷きの玄関。

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そのまま廊下につながっています。

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廊下の天井は網代で、竹籠のような編み方です。

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和室に入るとこの家にお住まいだった伊庭慎吉夫妻の肖像画が飾られていました。柔らかなタッチです。
その父親は住友の総理事だった伊庭貞剛氏で、この家の建築主です。(彼の屋敷は大津の住友活機園
伊庭慎吉氏は、学生時代、絵画の勉強でフランスに留学、帰国後、八幡商業の絵の教師になります。結婚後、近くにある沙沙貴神社の神主となり、この伊庭邸に移り住みました。その後、安土村長も務めたそうです。経歴から分かるように風流人で、この屋敷にも芸術家が出入りしていたようです。

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旧伊庭邸の前から、沙沙貴神社の森が見えます。

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風流人らしさはあちこちに伺えて、例えば、このふすま絵は菜の花咲く春の情景。

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裏側はススキに月の秋の情景となっています。

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障子の桟なども繊細なものです。

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2階に上がる階段は、丸みをおびたやさしいデザイン。
当初はこの右側に玄関があり、他の部屋を通ることなく、2階のアトリエに上がって行けたようです。

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洋風の食堂。
奥に暖炉があり、その両脇にベンチが作り付けられています。

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逆に暖炉側から庭の方を見たところ。
左の窓の向こうがキッチンです。

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外にはサンルームがあります。

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2階に上がると広いアトリエがあります。
端に小部屋がありますが、元はそこも含めてアトリエだったようです。

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庭から眺めた屋敷。
緑の壁の部分がもともと玄関だったようです。
改築後は閉じられました。

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サンルームは石積のような壁面です。一般的なサンルームはもっと軽快な、ガラス温室みたいなイメージがあるのですが。
端に洋風の丸い池があって、サンルームから連続的な見どころになっています。
その間に平台がありますが、端に取っ払われたような煉瓦の列があるのは何だったのでしょうか。

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丸池にはライオンの吐水口が付いています。
恐い表情のライオンです。

このように旧伊庭邸は和洋の入り交じった魅力的な建物です。
次回はディテールを紹介します。


<関連記事>
 「旧伊庭家住宅の引手コレクション」
 「旧伊庭家住宅のディテール」
 
<関連サイト>
 安土町観光協会「旧伊庭家住宅」 ・・・公式
 まちかど逍遙「旧伊庭家住宅」
  ・・・すごくポイントを押さえて紹介されています
 光の射すほうへ「旧伊庭家住宅」
  ・・・同じく今年訪問されています

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2013年5月 9日 (木)

春の香川・島めぐり(4)坂出のアーケード

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※クリックすると拡大します

このところ、古いアーケードの雰囲気が気に入っているのですが、坂出でもいいアーケードを見かけました。坂出の最後にアーケードを紹介します。
古びたアーケードを、当事者、とくに昔を知る人はいいとは思っていないかも知れませんが・・・
メインの商店街を西に出たところに短いアーケードがあります。

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アーケード=歩行者用というイメージのある私には、2車線の車道にアーケードがかかっているというのが珍しく思えるのですが、どうなのでしょう。
照明は60年代風かと思います。

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桟が古めの建物がアーケードの下にあります。

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メインの商店街。ここは新しいアーケードに取り替えられています。

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※クリックすると拡大します

そして私の一番気に入ったのがここ。
アーケードが分岐して、港へと向かっています。
お店のグリッドのガラス壁面がアーケードのフレームと呼応して、パビリオンのような一角になっています。人気が少ないのがなお幻想的。

喜んでいる場合ではないのですが。
長いアーケードや並ぶお店に昔の繁華を見ます。


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2013年5月 8日 (水)

春の香川・島めぐり(3)坂出の商店街の近代建築

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続いて、坂出の中心商店街にある近代建築を東から西へ紹介します。
最初は商店街の角にランドマークとして立つ角本金栄堂(昭和9年)です。当初は菓子問屋だったとのこと。
坂出人工土地の上から見るとよく見えます。

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※クリックすると拡大します。

スクラッチタイルにステンドグラス、アールを面取りした角には模様も入って華やか。

(追記)
 2014年6月2日の火事で燃えてしまったそうです・・・
  (2015.3.6記)

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アーケード商店街をしばらく歩くと百十四銀行坂出支店・坂出本町出張所(昭和5年)があります。茶系統の落ち着いたタイルの濃淡がきれいです。

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背面から見ると、四角い箱が積み重ねられていて、増築に増築を重ねてきたのかなと思わされます。

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続いて、高須商会(昭和8年頃)。
営業品目が砂糖や小麦粉と書いてあるので、問屋さんでしょうか。
香川といえば、和三盆、うどんなので、ともに縁が深いですね。
軒の上に台形の明かり窓があるのが面白いです。

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洋風のうだつが装飾的です。

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軒下の照明も年代もの。
点灯してみてほしい。

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楽器のコトブキヤさんは、書体がレトロです。

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最後に水尾メリヤス(昭和初期)。
商店街側からは分かりにくいのですが、側面を見ると・・・

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付け柱や軒蛇腹、胴蛇腹と洋風の意匠がふんだんに。
でもどことなく看板建築風です。

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間口の広いお店で、反対側から見るとこんなふう。

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2階の木製桟が矢羽根模様なのが良いです。

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出入口の金文字が懐かしい書体です。

前回は大正時代の建築が多かったですが、商店街には昭和初期の建物が集まっていますね。
かつては繁華街だったはずですが、(既に夕方とはいえ)閉まっているお店が多いのが気になりました。


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2013年5月 7日 (火)

春の香川・島めぐり(2)坂出の近代建築など

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坂出の探訪でまず見ておきたいのは近代建築。
手始めに、車窓から確認しておいた2つの建物を見に行くことにしました。
最初は、鎌田共済会郷土博物館です。私設の博物館なのですね。元は鎌田共済会図書館(大正11年)です。既に閉館して門が閉じられていましたので、外からです。あまりはっきり見えません。

図書館を建てた鎌田勝太郎氏は、鎌田醤油の家に生まれ、北海道との海運、塩田経営、朝鮮実業銀行など、実業家として活躍するとともに郷土への利益還元をされた方だそうです。貴族院議員でもありました。
この時代は立派な方がおられますね。

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裏側からだと比較的よく見えます。

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続いて、坂出市郷土資料館へ。
大正9年に建てられた旧香川県立坂出商業学校です。
商業学校時代の正門も残っています。

設立に至る経緯を見てみると
・明治34年 坂出に香川県立商業学校設置
・明治45年 高松市立商業学校を吸収合併して高松市に移転
      坂出は分教場に
・大正2年 坂出分教場は廃止
・大正3年 坂出に郡立綾歌商業学校設立認可
・大正8年 県立坂出商業学校に昇格するとともに、
      新校舎建設に着手
・大正9年 途中、火事にあいながらも校舎完成

坂出と高松の力関係の変化と、坂出の商都としての気概を感じさせます。

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本館の全景。
大正時代ですが、明治時代っぽい雰囲気も感じます。
1階と2階の間に何か入っているのが大正らしいデザインでしょうか。

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玄関部分。
柱や柱の基礎部分など幾何学的なデザインです。

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背面から見ても美しい。

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床下換気口の面格子はこんな変わったデザインです。

また、開館時間中に中を見てみたいものです。

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学校の真ん前にモダンな住宅がありました。

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同じ並びにある医院。
戦後の早い時期かと思いますが、共通する雰囲気があります。

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同じ並びの住宅。フランス瓦です。
昭和30年代ぐらいか。

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看板建築のような事務所もありました。

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商店街にもいくつか近代建築がありますが、それは次回に回して、それ以外を紹介します。
本町2丁目にある旧後藤産婦人科医院(大正9年)は、パリのような雰囲気。
1・2階の間など大正風の装飾が入っています。

(追記)
道路拡幅工事により、解体が始まっているとの情報があります。(2017.2.15記)

これだけ同時代の建築があるのは、大正10年前後に坂出にとってのピークがあったのでしょうか。
(他に1960年代の建物もよく見かけた気がします)

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元町3丁目には四角い煉瓦の煙突がありました。
津島酒店の裏にありますので、元は造り酒屋をされていたようです。

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元町4丁目にあった駐車場。

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のぞき込むと木造の2階まで吹き抜けの構造で、元は工場だったのではないでしょうか。

港の方にはまだ興味深い近代建築もあるようですが、今回は本町・元町あたりを回るので精一杯でした。
それでも洋風建築が多く、いろいろと面白いものを見ることができました。次はもっとじっくり回ってみたいところです。


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2013年5月 6日 (月)

春の香川・島めぐり(1)坂出人工土地

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先月、瀬戸内国際芸術祭の春シーズンに出かけました。
(ご存じかもしれませんが、瀬戸内国際芸術祭は香川県(一部岡山県)の主に島嶼部で開催される現代アートのイベントです。2010年に続いて2回目となる今回は春・夏・秋の3シーズンに分けて開催されます)
私は高松からスタートして、女木島、男木島、直島、宇野と瀬戸内海を横断しました。

例のごとく芸術祭に関係ない話を中心に、今回巡った港町・島をシリーズで紹介しますのでお付き合いください。

本題に入る前に・・・
1日目は高松への移動日でしたが、ふと思い立って坂出で1時間余り途中下車をしました。坂出は思った以上に見どころの多い町でした。

まずは駅前からスタート。
駅前通りを歩いて行くと、こんなビルがあります。
たぶん下を歩いているだけでは何とも思わないでしょう。
道の反対側から見るとビルの上に建物が並んでいるのが見えます。

写真の右に見える隙間から入っていくと・・・

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トンネル通路のある不思議な空間に出ます。

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通路には飲み屋や喫茶店など。
率直なところ、寂しい雰囲気です。

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ところが階段(またはスロープ)を上がるとこんな風景が。

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屋上が市営団地となっています。
配置も単調ではありません。

ここは坂出人工土地といって、建築系の方には有名な場所らしいです。
1968年に開発が始まった、メタボリズムの流れにある建築だそうです(時代に合わせて中身が新陳代謝していく)。建物の3階レベルに地面を作ってしまって、下には商店や劇場、駐車場など、上には市営住宅が建ち並んでいます。

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この住宅の3階などもほんとは5階。
ヒューマンスケールに感じられます。

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自動車も普通に上がってきているのでびっくりします。

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ところどころ、下の設備の関係で上に出ているものがあったり。
普通に庭などもあります。
今回は時間の関係で、じっくりとは回っていませんので、公園や公共施設など

試みとして面白いのですが、残念ながら空き家が増えているようですし、下層部も寂しい感じがしました。意外にも住宅には風呂がないのですね。
このまま寂れさせるにはもったいないなと感じました。

<参考サイト>
 日経ビジネス 昭和モダン建築巡礼
 「日本住宅史上最大の実験、劇場上に市営住宅」


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2013年5月 4日 (土)

旧大阪市営高見住宅(此花区)

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以前、旧大阪市営北畠住宅杭全住宅を紹介したことがありますが、同時期の市営住宅である高見住宅の現状を見に行ってみました。最寄駅は阪神なんば線の伝法駅です。

市営住宅といっても賃貸ではなく、月賦販売されましたので、既に市営住宅ではありません。
昭和7年の「大阪市社会事業一覧」という資料によると、北畠住宅、杭全住宅がともに月約30円の支払いだったのに対して、高見住宅は月約18円でした。
高見住宅の供給戸数は70戸です。

見に行ってみると最初の写真の住宅がありました。
下見板張りの木造2階建てです。これが現存しているものだと思うのですが、いかがでしょう。

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同じ建物の逆からのアングル。
前面道路は狭く、未舗装ですが、植え込みスペースが取ってあって、従来の長屋と一味違うと感じさせます。

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2軒目。こちらは平屋の住宅です。
これも下見板張り。シンプルです。

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こちらは舗装されていますが、植え込みスペースはそのまま残っています。

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そして3軒目。こちらは2階建ての下見板張り木造住宅です。
1階部分の壁面が改修されています。

私が確認したのは3軒ですが、改修されて見た目に分からないものもひょっとしたらあるかもしれません。

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敷地の北側に公園があって、堤防の向こうは淀川です。
また市営住宅地の西隣は、伝法土地区画整理事業(昭和12年換地処分)のエリアになっています。

高見住宅も大阪の住宅史の大事な資料だと思います。
他に、月賦住宅には都島住宅、今里住宅(十三)、栄町住宅(芦原橋)があります。賃貸については昭和7年時点で19住宅があります。おおよその場所は分かるのですが、また特定できればそれらも訪ねてみたいと思います。


<関連記事>
 「旧大阪市営北畠住宅」 2009年2月
 「旧大阪市営杭全住宅」 2009年12月
 「春日出町住宅地」 2009年7月
 目次「近代の郊外住宅と別荘地、社宅」

 「伝法を散歩」 2006年9月

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東大の中心軸(東京都文京区)

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前回、東京では本郷の鳳明館に泊まりましたので、まだ行ったことのない東大本郷キャンパスものぞいてみました。
事前に「見るのに半日はかかるよ」と言われていて、実際そうだと思います。
次の予定があったので、今回はさっとメインストリートを歩くだけになりました。

正門から入ります。

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守衛室も、木造の下見板張りが一般的かと思うのですが、お堂のような和洋折衷のずっしりした建物です。
こういうのも帝冠様式というのでしょうか。
元は明治45年、伊東忠太設計とのこと。

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正門から安田講堂までまっすぐ、イチョウ並木にスクラッチタイルと石によるゴシックの建物が並んでいて、ヨーロッパのキャンパスのような雰囲気です(行ったことはありませんが)。

東京大学は関東大震災で壊滅的な被害を受けたので、その後に同大学建築学の内田祥三設計による復興建築が立ち並びました。

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左手には工学部列品館(大正14年)。

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右手には法学部3号館(昭和2年)。

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列柱の向こうに入口があって、装飾的です。
ライムストーンのような、暖かみがあって柔らかそうな石材は何を使っているのでしょう。

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列柱上部の飾り。

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中心軸から外れますが、東京大学図書館(昭和3年)。
ロックフェラーの寄贈によるもの。
本が並んでいるように見える?
そんなベタなことはしないか(笑)

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その先の左手には法文1号館(昭和10年)。
この三角屋根・尖頭アーチの入口が両側に並んで面白い光景です。
入口の屋根に載っている飾りは、前の建物に使われていたものだそうです。

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側面の入口も尖頭アーチ。

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法文2号館(昭和12年)。
南北軸がアーケードで建物を貫いているのが面白いところです。

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法文1号館にも通路が貫通しています。
ここをランナーがたくさん走り抜けておられました。

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中心軸の突き当たりには安田講堂(大正14年)。
名前の通り安田財閥の安田善次郎の寄贈によるもので、震災を挟んで建設されています。

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安田講堂の入口は扉も凝っていて、細かく細工がされています。

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車寄せの天井を見上げると和風モダンの装飾。

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安田講堂の車寄せから正門の方を見ると、こんな眺めです。

新しい建物を増やしつつも見えないところに配置し、残すところは残してうまく継承されているという印象を受けました。

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こちらは工学部2号館(大正13年)の入口。
一部を残して増築されています。

キャンパスの他の建物は改めて巡ってみたいと思います。

<関連記事>
 「東大の秤の番人」


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2013年5月 1日 (水)

東大の秤の番人(東京都文京区)

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東大の正門の反対側に弥生門があるのですが、その近くにこんなものがありました。
昔風に言うとカンカン場(看貫場)だと思います。
重い研究機器などを量ったのでしょうか。

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小屋の味わいもいいのですが、大きな秤がデンと門番のように座っているのが面白いなと思います。

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