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2012年11月27日 (火)

新潟さと歩き(5)大地の芸術祭・十日町会場

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非常に季節外れなのですが、夏に訪れた「大地の芸術祭・越後妻有アートトリエンナーレ」の記事、続きです。
メインの会場となっているのは今回紹介する十日町で、あといくつか拠点になる会場があり、残りは山間部などに散らばっています。

十日町はこの地域の中心となっている織物の町です。
津南会場のあと、この街を巡りました。
あちこち脇道にそれながら紹介します。

十日町の駅前にはアーケードの通り。
縦横にアーケードがあります。
ここの場合は雁木と言った方が良いのでしょうか。

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こんな風にまちなかに作品があります。
原倫太郎+原游さんの「影祭-夏祭り万華鏡、真夏の行進-」
壁に遊びの情景などが影として描かれています。
歩いていて突然出会うとハッとしそうです。

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商店街の空き店舗を利用した、野田智之さんの「越後妻有リサイクル・アート美術館」

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商店街の方から提供された素材を組み合わせて動く作品などが作られています。
大地の芸術祭には参加したいアーティストが多いので、公募の競争率が高く、芸術性はもちろん、地域との関わりも考慮されるそうです。3年に1回のイベントですから、継続して参加しようと思うと、3年後も考えて関わらないといけません。

地域型のアートイベントを見るとき、地域(場・人・文化)と作品がどう関わっているかを見るのも一つの楽しみだと思います。

野田さんは会期中に滞在しながら制作されていて、作っていると小学生などが覗いていくそうです。
故障しないモーターへのこだわりなど、いろいろ面白い話を伺いました。
現在は、横浜の黄金町バザール2012に出展されているようです。

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こちらはサインが気になって立ち止まったお店。
実は大地の芸術祭に合わせて勝手にやっているイベントだそうです。

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アート作品の展示もあったのですが、面白かったのは2階に展示されていた機の数々。
実際にここで機織りをされていたそうです。今では外の方に頼むようですが。

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町中で見かけた牛乳箱。
ローカルな牛乳屋さんです。
ロゴのフォントがいい感じ。

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こちらは正式な作品。
上西エリカさんの「Growing Memories」です。
遠目に見ると日本の古地図風の絵です。
何が「Growing」かというと、これはジグソーパズルになっていて、来場者が濃さの違う青いペンで「街がこうあってほしい」など絵や文字で書き込んでは、はめ込んでいきます。
この時点でほとんど埋まっていますが、ところどころ空白があるのが分かりますでしょうか。
私も1つ描いてきました。後で聞くと、この日で全て埋まったそうです。

こういう参加型の作品もたくさんありました。

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小高い神社の敷地にあった昭和女子大学グループによる「山ノウチ」。
弓のようにしならせた竹を背中合わせに組み合わせたユニットをたくさん積み上げています。
神社から何かが立ち上っているよう。

ツル植物が何本か立ち上っているのがすごく面白いと思って、学生さんに話したのですが、「それは意図していない」とあっさり否定されてしまいました。

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この神社のあたりは、工場跡があったり、とても趣きある場所でした。
こういう民家などすごく好きです。

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3階建ての元旅館らしきものもここにあります。

(追記)滝文本社、解体されてしまったそうです。(2014.10.11記)

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この面白い建物は市民体育館。

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こちらはひょうたん型かトの字型のハンコを短冊に押して、そこに好きに書き加えて吊すという作品。
これも参加してきました。

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道を歩いているとぽっかり空いた空地に「深雪観音堂ここにありき」の碑。
かつてここに「旬街座」という映画館がありました。昭和13年1月1日の晩、晴れ着を着た織物工場の女工さんたちで満員の映画館の屋根が雪の重みで崩落し、69人の方が亡くなったそうです。
慰霊のため「深雪観音旬街堂」というお堂が建てられました。
その後、映画館は続いたのですが、2004年の中越地震で被災して閉館。
お堂も取り壊されて現在に至っています。
この地域の災害の歴史を象徴するような場所です。

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この会場も空き家を利用した「影祭-夏祭り万華鏡、真夏の行進-」。
描かれた影と本当の影が入り交じって面白い空間です。

初日はこれぐらいだったのですが、日を改めてメイン会場を見学しました。

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メイン会場の中でも中心は、越後妻有里山現代美術館キナーレです。
その中でも中心になるのが、中庭全体を使って展示されている、クリスチャン・ボルタンスキーの「No Man's Land」。
古着の山をUFOキャッチャーのように、クレーンでつかんでは落としています。
あたりに響く心臓の鼓動音。
夕方になると蒸気のようなものが漂ってきたり。
正直なところ、よく分かりません。

意味は分かりませんが圧倒されます。
クレーンの背後、2階から目の前で眺めながら食事できる場所があったりして面白いです。

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会場の中はこんな感じ。
そんなに詰め詰めではありません。
真ん中のガラスの箱は、作品の中に入って頭上から建物の形をした銀紙が降ってくるというもの。

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新潟各地の砂を並べて、色見本のようにしたもの。
こんなにバラエティーがあるのですね。

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散髪屋の回転広告の中に入ってしまうという体感的な作品。

写真をうまく撮れなかったのですが、真っ暗な部屋にライトを点けた模型列車が走っていくと、線路の脇に置かれた妻有の様々なモチーフが壁に投影されていくというクワクボリョウタさんの作品が、意外性もあってとても面白く思いました。

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アート作品を見た後に街を歩いていると、何気ない光景がアートに見えてきたりするのですよね。
そういうところも面白いと思います。

<関連記事>
 ○新潟さと歩きシリーズ
 (1)大地の芸術祭2012
 (2)津南の木造工場など
 (3)十日町の木造工場
 (4)囲うと溶かす
 (5)大地の芸術祭・十日町会場
 (6)除雪車のダンス
 (7)文字通り小千谷
 (8)土の学校
 (9)眺める部屋
 (10)絵本の学校
 (11)泊まれる学校
 (12)松代の街道(完)

 ○これまでの新潟の記事の目次

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