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2011年6月

2011年6月19日 (日)

山形の旅(5)鶴岡カトリック教会は両津の妹

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鶴岡公園の後は、まちなかにある鶴岡カトリック教会を見に行きました。
和風の立派な門の向こうに赤い屋根の天主堂が見えます。

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門を入ると全景が眺められます。
鶴岡カトリック教会天主堂。明治36年(1903年)にフランス人のパピノ神父の設計で建てられました。パピノ神父の日本での最後の設計だそうです。重要文化財。

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<参考>両津カトリック教会(佐渡市)

実は昨年訪れた佐渡の両津カトリック教会は、明治20年建設でパピノ神父の来日最初の設計です。
なんとなく似てますね。小さい分、かわいらしい。最初と最後の教会を続けて見ることになったのも不思議な縁です。

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<参考>聖ザビエル天主堂(京都市→明治村に移築)

そして昨年、明治村で見た聖ザビエル天主堂は、明治23年にパピノ神父の監督で建てられたもの。
パピノ神父は日本で7つの教会を建てたらしいのですが、残り少ない現存するものをこうして見て回れたというのも不思議です。

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さて、教会にお邪魔します。
白一色でポイントに赤ですが、壁面に細かな装飾が施されています。

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教会の内部。結婚式などにも使われているようです。

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側面を見たところ。

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模様の描かれたガラス。

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ゆらいだガラス越しに幼稚園が眺められます。

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入り口にはステンドグラス風のガラス装飾があります。

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外に回って床下換気口の面格子。
ちゃんと十字架が読み込まれています。

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隣に立つ司祭館は大正3年(1914年)の建物だそうです。
白壁が調和しています。

白壁に赤い屋根が映える美しい教会でした。


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2011年6月12日 (日)

山形の旅(4)鶴岡公園と大寶館

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致道博物館の隣に、鶴岡公園があります。
鶴岡公園は、江戸時代、庄内藩・酒井家の城だった鶴ヶ岡城が明治8年に解体され、明治9年にできた古い公園です。お堀が残っています。
私が訪れたときは、ちょうど桜の散るころでした。

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※クリックすると拡大します

鶴岡公園の地図。右が北です。
さらに詳しくはこちらをご覧下さい。

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私は南から公園に入りました。
赤い屋根が目を引く建物がお堀の向こうに見えています。

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大正を感じさせる華やかな建物。
白、黒、赤という色使いが鮮やかですね。

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「大寶館」(だいほうかん)といって、大正天皇の即位を記念して、大正4年(1915年)にできた建物です。「大寶」とは、中国の易経で「天子」の表現とか。
1階が物産陳列場や図書館、2階が会議室と食堂だったそうです。
戦後は昭和26〜60年まで市立図書館で、今は郷土の偉人の資料館になっています。
入場は無料です。

2階のテラスの装飾なども凝っています。

<関連HP>
 鶴岡市観光連盟「大宝館」

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内部は展示物以外は撮ってもかまいませんということでしたが、調度品などはないので、階段など。シンプルですが、ひねりが入っています。非常に急な階段。

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天井の照明周りの装飾。

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上の照明器具と同じものですが、こういう模様が入っています。
これはオリジナルかどうかは不明。

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さて、鶴岡公園の正面は東側のようで、ここから荘内神社に向かって参道が伸びています。
明治10年に荘内藩主・酒井家を祀るためにつくられた神社です。
庄内藩は幕末は幕府側で、戊辰戦争を戦って敗れていますので、不満を抑える意味があったのでしょう。

公園内には江戸時代からあった御城稲荷神社、戊辰・西南戦争で亡くなった人を祀るために明治28年に建てられた鶴岡護国神社もあります。

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歴史を感じさせる建物も少し残っています。

新しいところでは藤沢周平記念館もあります。鶴岡出身で、多くの作品で鶴岡がモデルになっているらしい。

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でも私が気になったのはこちらです。
1階がサルの檻で、2階が鳥。
ミニ動物園は古い公園には残っていますが、こういうのもなくなっていくのでしょうね。
サルもさびしげで。

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もう一つ、クジャクの小屋もあります。
放物線アーチが目立っています。
いつ頃つくられたものなのでしょう。

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クジャクがこんなふうにとまっています。

記念碑などもたくさんありますが、今回はあまりゆっくり見られませんでした。
歴史のたくさん詰まった公園です。


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2011年6月 6日 (月)

千成湯のありがとうイベント(大阪市福島区)

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2011年5月26日。大阪市福島区の野田にある千成湯が最後の営業をされました。
建物こそ更新されていますが、106年の歴史ある銭湯で、大阪中央卸売市場の目の前にあって、市場より歴史が古いお風呂屋さんです。

しかし、配管に不具合が生じて多額の補修費がかかることが分かり、後継者もおられないことから、廃業を決断されました。
そこで地元有志を中心に2日間の感謝イベントが開催されました。
(その数日前には入りに行きました。)

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いつものように暖簾は掛かっていますが、この日はイベントです。

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※クリックすると拡大します

短い準備期間だったにも関わらず、コンサートやトークなど様々なイベントが。

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イベント会場は女湯です。
コンサートでは観客も風呂桶を叩いて参加。
「いい湯だな」や「神田川」などお風呂にちなんだ曲を。

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思い思いに感謝の気持ちを表現しています。
でも何も言わなくても、地元の方はそれぞれ思いがあるでしょうね。

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洗い場の様子。

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蛇口のところには大振りなタイルが。

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床のタイルパターン。

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カラフルな特製の千成湯手ぬぐいも販売されていました。

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こちらは男湯。
床のタイルの色が違いますね。

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浴槽の底には花柄パターンのタイル。

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銭湯気分が高まる靴箱。

このような形での廃業は残念なことですが、いつの間にか廃業されているのではなくて、地元の方がきちんと名残を惜しむ機会があったのは良かったと思います。
今年はもう少し銭湯に入りに行こうと改めて思いました。

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2011年6月 5日 (日)

山形の旅(3)鶴岡の2つの擬洋風建築

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加茂から鶴岡市街地に戻って、致道博物館前で降りました。
ここは鶴ヶ岡城・三の丸跡の、藩主酒井氏の御用屋敷があった場所で、2つの擬洋風建築など江戸・明治の建物が移築され、民俗資料や歴史資料が展示されている建物園のような博物館です。
名前は藩校の致道館(近くに現存)からとられています。
近代建築の好きな者には見逃せません。入館料は700円。

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まずは旧西田川郡役所。重要文化財。
初代県令・三島通庸の命で、地元の大工棟梁、高橋兼吉、石井竹次郎が建て、明治14年に竣工した擬洋風(洋風を真似た)の建物です。同年には明治天皇の行在所(御宿舎)にもあてられたそうで、少しばかり華やかな階段があったりします。
内部は戊辰戦争や明治時代などの資料館になっていますが、内部撮影は禁止なので外観のみ。

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玄関には立派な車寄せがあります。

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窓は上げ下げ窓、外壁は下見板張りです。
よく見れば、基礎以外は木造であることが分かると思います。

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柱も石のように見せて木でできています。

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床下換気口の面格子は櫛形のシンプルなもの。

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敷地内にはもう一つの擬洋風建築、旧鶴岡警察署庁舎があります。こちらも重要文化財。
同じく大工棟梁の高橋兼吉が設計して明治17年に竣工したものです。

西田川郡役所と似ていますが、こちらは2階にベランダがあり、より和風要素が入っています。

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側面から見ると、大きな三角破風があり、日本的です。

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こちらの柱の基礎は石になっています。

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破風の飾りには鶴が。鶴岡だから鶴?
非常に凝った細工です。

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さて、私の関心からいうと擬洋風建築なのですが、江戸時代の建物もあります。
幕末の文久3年(1863年)、江戸屋敷から移築して、藩主の隠居所として建てられたという御隠殿です。

中には江戸時代の庄内藩の展示があります。
面白かったのは、庄内竿(釣り竿)の展示でした。庄内藩は武士の鍛錬のために磯釣りを奨励していたらしいのですね。自分で竿を作り、夜に山越えをして海まで釣りに行き、釣った魚の大きさを競っていたようです。足腰も鍛えられて一石二鳥。
でも怪我をするとおとがめがあったとか。

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足元には凝灰岩が敷かれています。
鶴岡や酒田では福井の笏谷石が多用されているそうです。私はまだ石の違いを見分けることはできないのですが。

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玄関に置かれていた衝立。
水辺の亀が透かし彫りされています。

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こちらは文政5年(1822年)に建てられた旧渋谷家住宅。
湯殿山麓の民家です。養蚕に対応して採光を良くするため改築された、「かぶと造り」という建て方だそうです。

このほか、民俗資料や漁具の展示館もあり、北前船の展示も見ることができました。

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もともとあったものとして庭園もあります。

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博物館を出て、周辺も少し歩いてみました。
鶴岡はまちなみ景観に気をつかっているところのようで、これは新しい建物ですが、この薬局なども擬洋風の建物を意識しているのかなと思ったりします。

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こちらは羽前絹練(株)。工場は明治39年に創業、事務所は昭和15年の建物だそうです。
いまだに絹織物をつくっておられます。

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とてもいい雰囲気の工場です。

鶴岡の街を歩くと、江戸と明治の雰囲気を感じることができます。


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2011年6月 2日 (木)

山形の旅(2)北前船の風待港・加茂

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山形の旅はまず鶴岡に降り立ったのですが、街には出ずに、駅前から加茂に行くバスに乗りました。
にいがたなじらねっとのt-nouchiさんが数日前に立ち寄られて、加茂が北前船の湊だと紹介されていたので、ちょっと寄り道してみることにしたのです。
鶴岡駅前から庄内交通バスで32分。鶴岡の中心地を抜けて、大山の街を通り、峠を越えて加茂の町の先にある加茂水族館で降りました。運賃は結構高くて700〜800円したような。

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鶴岡市立加茂水族館は一昔前のたたずまい。
駐車場は車でいっぱいでした。
クラゲの水槽が人気です。

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と、ふと横を見るとこんもりした岬があって、灯台が立っています。
今にも崩れそうな天気でしたが、ちょっと上ってみることにしました。

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かわいらしい灯台は荒埼灯台。高さは12mです。
灯台は明治36年からありますが、現在のは昭和27年に建て替えられたものです。

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ここからは加茂の港を一望できます。
手前に見えるのは水族館ですが、奥に見える大きな建物は山形県唯一の水産高校、加茂水産高校です。
歴史の慣性というものでしょうか。

入り江の反対側にも小高い山があり、その麓、やや左に白い屋根が見えますでしょうか。
石切鶴岡神社の屋根で、この場所が日和山だそうです。(t-nouchiさんの受け売り)
風待ちの湊らしい地形です。

『北前船 寄港地と交易の物語』によれば、山形・新潟県境に近い「鼠ヶ関」が庄内藩公式の外港で、加茂は鶴岡城下の生活物資を陸揚げする港だったそうです。北前船の時代には十数軒の廻船問屋があったそうです。

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せっかくなので、加茂水族館にも入りました。
この瓜のようなクラゲはネオンのような光が走ってとてもきれい。
動画でお見せできないのが残念です。

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ちょうど昼時なので、加茂水産高校の向かいにある美好食堂に入りました。
食事できるところは水族館以外ではここぐらいしかないかも。
かきあげラーメンを食べていると、本格的に雨が降り出しました。
あいにく傘がありません。傘を売っているところがないかお店の方に聞くと、「ない」とのことでしたが、お店の傘をいただけました。ありがたいことです。

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港の一番奥。今では漁港です。

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ぐるりと回り込んで反対側から。
港は山に囲まれています。

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さらに回り込んで。
以前に紹介した出雲の風待港の鷺浦や赤穂の坂越と同様、山越えをしなければ、街には出られません。

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あまり時間がなかったのですが、思い切って石切鶴岡神社まで足を伸ばしました。
昭和59年に大阪の石切神社から分祀されたとのことで、意外に歴史は浅いようです。石切神社とどういうつながりがあるのか気になります。

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石切鶴岡神社からの眺め。
ここからは港は見えません。対岸の小さな岬が荒埼灯台のある岬です。

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加茂を歩いているとやたらと消火栓が目に付きます。
酒田大火の教訓でしょうか。

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商港の余韻でしょうか、旅館か料亭のような建物もあります。
ちょっと時間配分を間違えてまちなかをぶらぶらする時間がありませんでした。
雨はますますきつくなり、再びバスで鶴岡に戻ることにしました。

(追記)
加茂の集落には、聴濤館という大正10年頃の洋館があるそうです。見に行けなくて残念。(2011.6.3記)

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集落の一番奥に、来るときも気になった木造校舎があります。
調べてみると廃校になった加茂中学校です。
しかも映画『山形スクリーム』(※リンク先は音が出ます。注意)や『スキヤキ・ウェスタン・ジャンゴ』(※リンク先は音が出ます)のロケ地になっているらしい。
どちらも見たことはないですが。


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もう一つ、バスの経路で大山の街に気になる建物がありました。
後で調べると、擬洋風の旧鶴岡警察署大山分署です。明治18年の建物。
よほど開けていたことが分かります。
大山は羽州浜街道の宿場町で酒造の町でもあったそうです。
散策してみたら面白いかもしれません。

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大山ではもうひとつ清月旅館も気になりました。

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木製の窓の桟が洋風デザインです。

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バスは鶴岡駅に向かいますが、途中の致道博物館前で降りました。
見ての通りの明治建築。
ここから鶴岡の街を散策します。


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