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2009年6月27日 (土)

初めての北海道(3)釧路の幣舞橋

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再び道東編。
釧路駅に着いた頃には、北国の長い日も既に沈んでいました。
駅前通は北大通りといい、元はメインストリートとして賑わったようですが、今は商店街という雰囲気でもなく、低い通りに銀行が残っています。

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まっすぐ歩いていくと1kmほどで、釧路川にかかる幣舞橋にたどりつきます。
読めますか? 「ぬさまいばし」です。

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釧路を代表する橋で、その存在は、新潟の萬代橋や松江の松江大橋などに似ているかもしれません。旧市街と鉄道駅のある新市街を結んでいること、古くからあり何度も架け替えられていること、近代のデザインであること、町を代表する橋であることなどが共通するためです。規模は小さいですが、存在は大きい。

大阪を代表する橋というと答えはたぶん分かれますね。
難波橋か、淀屋橋か、戎橋か、それ以外か。
幣舞橋はもっと文句なし、な気がします。

幣舞橋は、その前身である愛北橋から数えると6代目です。
順に紹介すると、

○愛北橋(明治22〜31年)
 名古屋本社の愛北物産会社により架設された有料の木橋。
 全長210m、幅3.6m。当時、北海道で一番長い橋だったそうです。明治31年に崩落しました。

○初代幣舞橋(明治33〜42年)
 これ以降、国が架設し、無料橋に。全長203.4m、幅4.2mの木橋。明治34年には橋北に鉄道が開通したそうです。明治42年に崩落。

○2代目幣舞橋(明治42〜大正3年)
 全長203.4m、幅4.5mのトラス型木橋。橋脚につけられた緩衝機能が仇となり、増水、流木・流氷の衝突、凍上で短命に終わったそうです。大正3年に崩落。

○3代目幣舞橋(大正4年〜大正13年)
 全長201.6m、幅7.2mの木橋で、橋脚部は桁橋・二重桁橋の混合橋(図解しないと分かりませんね)。
 永久橋への架け替えのため、大正13年に役割を終えます。

○4代目幣舞橋(昭和3年〜昭和50年)
 全長113m、幅18.3m。初の鉄橋です。短くなったのは、治水の進展で川が埋め立てられたから(これも萬代橋と似ています)。四隅に花崗岩の親柱、袖高欄、袖柱がつき、4基の橋脚は花崗岩で化粧され、その上にはブロンズ製の小塔が乗っていたそうです。この4代目が、札幌の豊平橋、旭川の旭橋と並ぶ北海道三大名橋のひとつでした。道路拡幅のため、昭和50年に架け替え。

○5代目幣舞橋(昭和51年〜現在)
 全長124m、幅33m。4代目の親柱を存続、高欄意匠も引き継がれました。これに加えて、初めて彫刻が載せられた橋だそうです(道東の四季像)。

 ですので、今の幣舞橋は昭和3年のデザインが基調です。

(以上は、釧路市地域史料室編『街角の百年〜北大通・幣舞橋〜』(釧路新書25)、平成20年第2版を参照しました)


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位置関係を地図で見てみましょう。
南が釧路発祥の旧市街に続く南大通りです。
北が駅からのメインストリート・北大通り。
それを結ぶのが幣舞橋です。

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これが4代目幣舞橋を引き継いだ親柱です。
アール・デコのデザインで、これはよく残してくれました。
突き詰めれば、この親柱が橋のイメージになっています。

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橋を下から見たところ。中央に立っているのが「道東の四季像」4体の1体です。
高欄は四角、円、斜線を組み合わせた幾何学模様です。

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なお、4代目の親柱の頂部は戦争時に飛ばされて川に落ちたものが後に引き上げられ、釧路市立博物館に展示されています。ついでにいうと、博物館の門柱にも幣舞橋親柱のデザインが使われていました。

こういう思い出に残る橋をもつ街は恵まれていると思います。

(追記)
この記事は、釧路新書の釧路市地域史料室編『街角の百年〜北大通・幣舞橋〜』を参照しました。
釧路新書は、1977年に第1巻『東北海道物語』が発行されて以来、現在に至るまで、28巻+別冊が発行されているそうです。
安い値段で発行できるのは、釧路市が負担しているのでしょうか。
市史以外に、こうして継続的に地域の記録に残していく取り組みがあるのは素晴らしいことだと思います。
さっぽろ文庫の例などもありますし、北海道の文化なのでしょうか。
(2009.7.9)

(追記)
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<参考:札幌の豊平橋(現存せず)>(2010.3.20記)

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