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2008年8月19日 (火)

青島・煙台の旅(19)青島ドイツ総督府と邸宅街

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青島租借地のドイツの都市計画で中心に置かれたのが、この旧ドイツ総督府です。
租借当初、総督の公務のほとんどは、街の東にあった私邸で行われていました(総督官邸もまだできていなかった)。

この建物は1904年に着工し、1906年に竣工しました。
外壁には地元の赤みのある花崗岩が使われています。
役所らしい、いかめしい建築です。

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旧ドイツ総督府は少し高台にあり、海を見下ろしています。
総督府の前には広場があり、あらゆる方向に道路が延びています。広場から海の方向へは階段があり、ウィルヘルム通り(不入斗通、青島路)がまっすぐ海に向かっています。この右にプリンツ・ハインリッヒ・ホテル、左に徳華銀行(ドイツ・アジア銀行)、左手前にドイツ領事館がありました。

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旧ドイツ総督府の正面。
1914年に日本が青島を占領したのち、総督府は日本守備軍司令部になりました。1922年に青島が中国に返還されると膠澳商埠督事務所、1929年7月に青島特別市政府の所在地となりました。1938年1月に再び日本が占領して青島特別市政府になり、1945年の終戦後は南京国民政府の青島市政府所在地となりました。

既に市役所は別の所に移転しましたが、現在は青島市人民代表大会常務委員会、中国人民政治協商会議青島市委員会が入っています。一般人の行くところではないですが、周辺を散策する人はたくさん見かけました。

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古典主義を基本としているといいつつも、窓はユーゲント・シュティールの曲線ではないでしょうか。

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総督府の斜め前(沂水路14号)には旧英国領事館があります。
1907年に建てられたそうです。当初は政府役人の住宅だったらしく、住宅っぽく見えます。
領事館となってからもずっと使われていたわけではなく、あちこち引っ越したり、1941年に日本軍に差し押さえられたりしました。1945年に復活しますが、最終的に1951年に中国との外交関係が途絶えて閉館となりました。

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ここから沂水路(旧ディーデリヒッス通り、赤羽町)という道が伸びて、左側がかつての邸宅街となっています。フランスアオギリの並木が続いて、今も緑が豊か。

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賑やかなお屋敷があったので寄り道してみました。
庭が朝市の会場として使われているようです。もう10時で片付けに入っていました。

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このお屋敷の主は、旧ドイツ第三海軍営部です。
実質的なドイツ軍の中枢でした。
所在地は沂水路9号、建築時期は1899年という非常に古いものです。
最初はこのあたり何もなかったみたいです。
沂水路もまだできていませんでした。

1923年には青島診療所が移ってきて、1933年に増築されるとともに青島鉄路医院と改名されました。解放後は鉄道局招待所、今は何でしょう。

いろんな要素を組み合わせた建物のようで、見どころ豊富です。

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たまたま旧ドイツ第三海軍営部は入れましたが、この通りの建物は高い塀にさえぎられて見えにくいものが多いようです。

こちらは沂水路7号のドイツ式住宅。1907年に建てられたディートリッヒ(?)氏別荘です。よく見えません。1933年には中魯銀行の頭取宅になりました。

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沂水路5号のスティック・フォース別荘はよく見えないので飛ばして、こちらは沂水路3号の石垣です。恐らく地元の石材を使って、連続アーチで美しく積んでいます。

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入り口もこんなふうに中が窺えません。
入れそうな雰囲気だったので、ちょっとお邪魔してみました。

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今は幼稚園のようですが、1903年にドイツ人が建てた別荘です。1912年にモンゴルの王族・多羅特(ドロト?)公升允の王邸になりました。升允は、清朝で陝甘総督を務めた人物で、清朝滅亡後、青島に身を寄せ、ドイツや日本の助けを借りて清朝を復活させようとしていたそうです。

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沂水路1号の旧アメリカ領事館の門です。
よく見ると細かい植物模様。
門だけでも見ごたえがあります。
建物は1912年の竣工です。

ここまでで沂水路は終わり。
向かいの青島基督教堂から、日曜礼拝を終えた人たちがぞろぞろと降りてくるところでした。

○参考資料
 『中国近代建築総覧 青島篇』、1992年、中国建築工業出版社
 竇世強・李明『画説 青島老建築』、2004年、青島出版社
 魯海『老楼故事』、2003年、青島出版社
 魯海『老街故事』、2003年、青島出版社

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