« 2007年10月 | トップページ | 2007年12月 »

2007年11月

2007年11月25日 (日)

影へのこだわり

071124november_2

会社の近く、天神橋のたもとにギルド・ギャラリーという写真中心のギャラリーがあります。
通りがかると写真展の案内が出ていたので、寄ってみました。
「藤井春奈写真展 NOVEMBER in TURKEY」です。

作品はトルコで撮影されたモノクロ写真で、多くはカッパドキアです。
藤井さんは影やシルエットにひかれるようで、影を強調されたカッパドキアの三角の岩はより奇怪な存在に見えます。
ジープのわだちの陰影が大きく写しとめられていたりもします。

過去の写真アルバムを見せていただいて、いっそうこだわりがはっきり分かりました。大阪の資材置き場を撮っても、安藤忠雄の建築を撮っても、パリを撮っても同じトーンなんです。
ご本人がおられましたので尋ねてみるとやはり、こだわりがあるとのこと。
私は写真にこだわりありませんが、資材置き場の意図せぬパターンに美しさを感じるのは「うんうん」と納得できるものでした。
仕事の合間にいい気分転換をさせていただきました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年11月24日 (土)

京都国博の狩野永徳展

071118eitoku1
京都国立博物館で開かれていた「狩野永徳展」の最終日(先週の日曜日)に出かけてきました。

071118eitoku2
閉館時間は8時なので、寄り道して遅めに出かけ、待ち時間は50分。
木枯らし一番の吹いた日で寒かったのはともかく、この程度の待ち時間はまあ、仕方ないでしょう。
京都国立博物館は、片山東熊の設計で明治28年に竣工した建物なので、ゆっくり建物を眺めながら順番を待ちました。

狩野永徳は桃山時代に大活躍した画家です。
それも、足利義輝、信長、秀吉といった権力者に重用され、大きな仕事をなしたのですが、残念ながら、その作品は安土城や大坂城などと運命をともにしてしまい、あまり残っていないそうです。
その貴重な作品の多くを集めた回顧展が、今回の展覧会とのことです。しかも京都限定。

迫力のある作品がたくさん出品されていますが、
私の気に入ったのは、展示室に入って最初の作品、国宝の花鳥図襖でした。大徳寺の塔頭・聚光院(じゅこういん)の襖絵です。水墨画で大きく松と梅、川の流れが描かれ、幾種類かの鳥が配されています。この松にしても、梅にしても身を乗り出すように伸びやかに前へ前へと向かっていて、筆に迷いなく、気分のよい作品です。葉先まで前向き。
大徳寺なのでまた見に行く機会もありそうです。

同じ聚光院の襖絵でも、向かいに飾られていた琴棋書画図襖は、木々や岩がコキコキした描き方でちょっと苦手な感じ。上手いには違いないのですが。永徳の岩の描き方は独特です。

今回の展示品の一番人気は洛中洛外図屏風でした。
400年以上たっているというのに鮮やかなものです。
細密に描かれていることもあって、人が張り付いて動きません。
暮らしぶりが細かく表現されていますので、見ていて飽きないはず。残念ながら飽きるほど見る余裕はありません。

迫力のあるのが唐獅子図屏風。
これも人気のある作品のようです。2頭の獅子はそれぞれ体長2mほどで、これだけのサイズをびびらずに破綻なく描けるというだけで感心してしまいます。力が画面全体にみなぎっています。

晩年(といっても亡くなったのは48才)の檜図屏風の檜は枝がのたうっています。屋久島の森で見た杉のような感じ。油断していると枝に巻かれてしまいそうな怖さがあります。

この他にも、左手から吹く強風と鳥の甲高い鳴き声まで聞こえてきそうな老松竹虎図、弟子の作品らしいのですが、現代的な感覚の雲龍図屏風など、気に入る作品はたくさんありました。

京都国立博物館の特別展は期待に背きません。
かなり満足して会場を後にしました。

こういう説明は絵を見ていただきながらがいいのですが、直接画像を出せないのが申し訳ないです。
リンク先のあるものはリンク先で確認してください。

071118eitoku3
最後におまけで、博物館の床下換気口の面格子を載せておきます。
明治建築らしく華やかな面格子です。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2007年11月18日 (日)

ぐる博2007(2)

071111gurumachi8
河内長野の「ぐるっとまちじゅう博物館2007」(ぐる博)の続きです。
今回、一番の目当てはこの南天苑でした。
もともと大正2年(1913年)に堺市の大浜公園にできた「潮湯」の建物の一つで、「家族湯」と呼ばれ、主に個室風呂、個室の休憩室が配されていたそうです。その後、昭和9年に室戸台風で損壊、これを機に昭和10年、現在地に移築されたのだとか。隠居といってよいような移動です。
和風ベースながら、設計は辰野片岡建築事務所だそうです。
今は国の登録文化財にも指定されています。

071111gurumachi9
北側部分は庭に面しています。

071111gurumachi10
南側はこんな感じ。

内部の写真は営業中なので遠慮しましたが、休憩室などいい感じでした。
ぐる博期間中、平日の1日だけ客室が公開されていました。
いつか食事に来てみないと。

071111gurumachi12
さて、ぐる博では、普段見れないというより、普段見ないような小さなお寺なども公開されて、訪れるいい機会になっています。
このお寺もはじめて。
真言宗御室派の地蔵寺の末寺、安明寺です。
中には仏像がたくさん。

071111gurumachi11
高野街道でもこの区間を通るのは初めてでした。
石垣がずっと続いて、この地域特有の南天が植わっている雰囲気のよい道です。

071111gurumachi13
そして、これは南海高野線の旧鉄橋を支える煉瓦橋脚です。
(この橋は歩道として架けなおされたものだと思います)
写真ではよく分かりませんが、足がすくむ高さです。
川幅は狭いんですけどね。
そんな物件の情報なども、配布される地図には表示されていて、公開物件だけでなく、いろいろ楽しませてくれます。
来年も期待してます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年11月12日 (月)

ぐる博2007(1)

071111gurumachi0
今年も河内長野市恒例の文化財公開「ぐるっとまちじゅう博物館」(略してぐる博)が開かれました。
未公開の文化財などが公開され、解説も用意されますので、楽しみなイベントです。
昨年の千早口に続き、今年は天見地区が対象。高野街道沿いで、ここから南に行くと紀見峠という南の境になります。
日曜日はタイミングを合わせて朝日・五私鉄リレーウォークが開催され、なんと3000人が集まったとか。ウォーキングで3000人て・・・
そのためかどこでもハイカーをたくさん見かけました。
イベントとしては成功でしょう。

でも私はそれには関係なく、サイクリングで参加しました。
岩湧山に向かう道を通り、小さな峠越えで天見に向かうルートです。

071111gurumachi1
加賀田川沿いに上流に向かって走っていくと、いくつも小さな橋を渡ります。
しかし、小さいながら味がある橋もあります。
この橋などもそう。槙平橋(昭和4年)です。この時代の橋は、小さな橋でも丁寧につくっているなと思います(今の橋が手を抜いているというわけではないですが)。

071111gurumachi2
柱に刻まれた文字もいい感じ。
頭部のシンプルな飾りは昭和初期らしい特徴です。

071111gurumachi3
もうちょっと時代が下る横谷橋(昭和26年)。
でもまだ前の時代の名残があって、橋の側面にそれを感じます。
コンクリートでも苔むすといい感じ。

071111gurumachi4
こちらは岩湧橋(昭和8年)。
放物線アーチがくりぬかれ、台形で囲まれています。
手すりも丸みを帯びて、丁寧な仕上げ。

ここから峠越えの道を走り、流谷に下りました。

071111gurumachi5
ぐるっとまちじゅう博物館で、最初のポイントは十三仏です。(回る順番は決まってませんが)
石垣に囲まれた谷間に入り口があり、そこから狭い道を上がります。

071111gurumachi6
上がるとぱっと開けて十三仏、そして集会所があります。
開放感があって非常に気持ちのいいところです。
十三仏は右の祠の中にある石像で、十三体の仏が彫られています。
しかしポイントは、そこにキリシタンの洗礼名らしきものが刻まれていることらしいです。
ここ流谷が隠れキリシタンの里という説があるとは初めて知りました。

071111gurumachi7
このあたりの民家は地形をうまく生かして建てられており、見ていて飽きません。
近くに住んでいても行ったことのない景色に出会えるのが、こういうイベントのありがたいところです。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

« 2007年10月 | トップページ | 2007年12月 »