
京都の相国寺・承天閣美術館で開催中の「若冲展」を見に行ってきました。
迷っていたところ、ぷにょさんや、ひろさんのブログを見て、やはり行っておこうと。
若冲というのは、江戸時代中期の京都の画家で、錦市場の青物問屋主人から絵の世界に入った人です。異才の画家として近年評価が高まっています。
若冲展は2000年秋の京都国立博物館以来。
そんなに前だったっけという感じ。今回の出展作である、鹿苑寺大書院障壁画や「動植綵絵」の一部、プライスコレクションなどから構成される大回顧展で、初めて若冲に触れる私は圧倒されました。

今回の展覧会は、若冲の相国寺ゆかりの作品をまとめて見せる展覧会です。
会期末なので混むことは覚悟していましたが、入り口の表示はなんと“180分”!!
一瞬、計算できませんでした。それって、それって・・・
上の写真は会場外の行列の様子です。行列の最後はずっと左の方で、奥に見える建物の右手が美術館です。
実際には2時間で入ることができました。このあたり誘導が巧みで、3時間といわれて2時間なら、まあ良しという感じです。あきらめる人はほとんどいません。待つ場所がお寺の境内なのも、疲労感を軽減してくれます。
若い人が多いと聞いていたのですが、この日(土曜日)は、年齢層が高く、日経新聞の特集記事を手に持っている人が目立ちました。2000年の若冲展も混んではいましたが、1時間も並ばなかったような。
さて、展覧会の内容です。
まず第1展示室は、水墨画の「鹿苑寺大書院障壁画」50面が中心。墨色の世界。
大胆で巧みな構図と技は、絵画の世界がふすまの向こうにまで広がっているようです。
とくに芭蕉に月の絵などは、どこか東南アジアの生命力あふれる芭蕉のようで、お寺の中とは思えません。
省略するときは大胆に省略し、緻密なときは緻密にと描きながら、全体ではバランスがとられているのに驚きます。
第2展示室は、一転して極彩色の「釈迦三尊像」と「動植綵絵」30幅です。皆さんおっしゃっていますけれど、これは圧巻です。鮮やかな絵の具で、執拗なまでに描き込んでいます。江戸時代のものがよくこんな鮮やかさで残っているものだと思います(昨年、宮内庁で修復されているそうですが)。
どんな絵かはこちらをご覧ください。
伊藤若冲『動植綵絵』人気投票。ひろさんが引用されていて分かりやすいので、流用させていただきました。
私の気に入ったのは「芦雁図」。氷の張った水面に飛び込んでいく雁は静止させながら、飛び散った雪が動きを示しています。
通して見て思うのは、若冲はデザイン的な感覚の持ち主だということ。実物の観察に基づきながらも、形や色は構図のために大胆にアレンジされています。梅の枝や岩、波、空中で体をひねる鳥など、相当にデザイン化されています。一番、印象に残ったのは「南天雄鶏図」。赤い南天の実の形と、赤い雄鶏のとさかの形が呼応しています。また、帰ってから気づいたのですが、「向日葵雄鶏図」では、雄鶏の羽根の白黒柄がそのまま朝顔の白黒柄と呼応しています。鶏と植物が流れるように溶け合っている不思議な世界です。
一通り見終えた後、会場中央から両側の絵を眺めました。もともとの意図なのでしょう。左右の絵が対になっています(図録もそういう形で掲載しています)。魚と魚は普通ですが、池辺と海辺、鳳凰と孔雀、雁と鵞鳥、鶏一対と鶏いっぱいなどなど、その対比のさせ方も単調ではなく、ずらしがあって楽しめました。
立ちっぱなしでかなり疲れましたが、満足感の多い展覧会でした。
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