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2006年8月

2006年8月30日 (水)

長崎をさるく

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<思案橋付近>

“さるく”というのは、長崎弁で「歩く」の意味だそうです。
知っている人は知っているのですが、いま長崎では、「長崎さるく博」という、まち歩き博が開かれています。
今回の旅行の目的は実はこれです。一体どんなことが起こっているのか、確かめてきました。

まず、まち歩きの基本的な仕組みですが、 定番コースをボランティア・ガイドの案内でまわる「長崎通さるく」、自分でまわる「長崎遊さるく」、専門家がガイドする特別コース「長崎学さるく」の3種類があります。このほかに、体験やイベントなども。

「長崎通さるく」は週末に集中的に開催され、平日は少しずつ開催のようです。
週末なら朝夕2回の時間設定がほとんど。一部、夜景を見るコースなどがあります。

各コースは定員15人ぐらい(予約制)。でも多いと2班出したりしています。案内は、ボランティアのガイドさんとサポーターさんの2人が付きます。

私は、
通さるく「文人墨客も思案した? 〜丸山巡遊〜」
通さるく「長崎港水辺散策 〜出島ワーフ・長崎水辺の森公園〜」
の2つに参加しました。

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まず夕方の丸山コース。参加者は2班で25人ぐらい。
丸山は、江戸の吉原、京の島原と並ぶ花街だったとか。
(・・・とおっしゃってました)
道の突き当たりにかわいらしい丸山交番が立っています。
このあたりに明治期まで大門があったそうです。

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こちらは史跡料亭花月の石畳。
ここは、丸山を代表する妓楼「引田屋」だったそうです。かなり広い。

ほかにも長崎検番、梅園身代わり天満宮、中の茶屋、料亭青柳などまわりましたが、ガイドツアーなので、あまり写真を撮れませんでした。

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翌日朝の水辺散策コース。
まず川に蓋をして作られた市場の見学から始まります。
右が市場の背中。手作り感のある市場で、鮮魚が売られています。

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港を眺めながら散策します。
海岸にはショッピング施設や美術館が建ち、新しい観光・ショッピングゾーンとして開発が進んでいます。

いずれのコースも、コース中間で休憩と飲み物のサービスがあり、途中でミニガイド(料亭の女将さんや税関職員など)があるなど、工夫がありました。
クリアファイルに昔の写真を入れていて、現地で見せていただきながらの説明もあります。

このイベント、どんな人が参加しているのか、気になりません?
私が参加した2回は、そのほとんどが長崎市民(!)です。東京の大学に行っている娘さんが帰省した機会に家族で参加、というパターンもあるようです。私のようなよそからの観光客は少数派。驚くのが、非番の(?)ボランティアさんまで参加していることです。

それでもいいんじゃないかなと思うんです。
コースは街中に張り巡らされています。長崎市民自身が長崎のことをよく知って、「ここの石をなでると頭が良くなるんだよ」などという話をできるようになれば、お客さんが来たときに「面白いもの」を案内することができます。それは観光都市にとってとても大きな効果です。

街中をぞろぞろ歩くので、歩行者やバイクなど、道を譲らないといけません。そんなとき、サポーターさんは「お世話になってます、さるくですー」と声をかけています。それが半年間、続くのですから相当な存在感だと思います。

長崎の路面電車は100円。多くの観光施設が、今は長崎市民には無料。観光地のメリットを長崎市民が受けられる仕組みになっています。市民が観光を楽しめる延長に、さるく博もあるような気がします。その効果は会期終了後も、じわじわと効いてくるのではないでしょうか。

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2006年8月27日 (日)

旧海軍凱旋記念館

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正式名称は、旧海軍佐世保鎮守府凱旋記念館という長くて、ものものしい名前です。第一次世界大戦での佐世保鎮守府所属艦船の武勲をたたえるため、九州・四国各県の寄付によって建てられ、大正12年に開館しました。鉄筋コンクリート2階建てで、建設費は86000円だったそうです。

その後、第二次世界大戦では、海軍合同葬の会場、戦後は駐留米軍に接収されて、劇場や映画館として使われ、今は佐世保市民文化ホールという、至って平和な余生を送っています。有形登録文化財。

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全景はこんな感じです。自衛隊や米軍基地に向かう道路の脇にあります。
道沿いにはほかにも旧海軍関係の建物が残っています。

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真っ白な外観と対照的に、内部は青と水色が基調。米海軍の趣味なんでしょうか。海をイメージさせます。

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2階へと上る階段。手すりは木製で、アールデコ風?のシンプルな装飾です。

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入り口の壁の一部にはこんなタイルも控えめに使われていました。ラーメン模様?というよりも、波頭のイメージなんでしょうね。

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表に出て、側面に数ある出入り口を見ると、ひさし部分がこうなっています。ここにも波頭の連続模様。

シンプルな海のイメージに満たされた建物のようです。

(由緒の説明は解説板によりました)

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2006年8月26日 (土)

日本一元気な(?)商店街

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佐世保の商店街は日本一元気な商店街(中心市街地)といわれています。
今回、佐世保に出かけた一番の理由は、この商店街を見ることでした。どんなところか気になりますでしょう?

駅前から伸びる幹線道路を行くと、正面に商店街の入り口が見えてきます。幹線道路はぶつかる手前で右に避けて、付かず離れず、商店街と平行して走っています。この四ヶ町商店街と三ヶ町商店街が一直線につながって、全長1kmの日本一長いアーケードになっているそうです。(日本一ってあちこちで聞くんですが、つながったアーケードとして最長という意味なんでしょうか。天神橋筋商店街のアーケードもかなり長い気がするので)

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入ってみると人は結構歩いています。また所々、ベンチやテーブルがあって、座っている人が結構おられます。
今日は日曜日なので、普段の人出とは違うはず。女子高校生があちこちで通行量調査をしていました。

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商店街の真ん中あたりに来るとぱっと開けて広場があります。広場では、長崎県各地の特産品を売る屋台が出ていて、隅の舞台では太鼓の演奏が行われていました。広場は幹線道路までつながっていて、バス停があります。

私なりになぜこの商店街が元気なのか、考えてみました。
相当、営業努力はされているはずですが、それ以外に元々の条件は大きいと思います。
○佐世保の街は海と基地、反対側は山が迫り、商店街が通路のようになっている。
○大きな道路で商店街が分断されていない。
○大きな道路がつかず離れず、平行している。
○山だらけなので、郊外型大型店は立地しにくい。
○山にはたくさんの住宅がある。
○米軍基地と自衛隊基地がある。
○そして、アーケード内はクーラーが効いていて涼しい!
   (歩くならアーケード。暑い夏に実感)

かなり特別な街かなと思いました。

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この街にはもう一つ変わった商店街があります。それはこのトンネル横丁。
なんと防空壕を転用した商店街だそうです。上は小学校の運動場で、見事な立体利用です。結局、土地が少ないからなんですね。
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日曜日で開けているお店が少なかったのですが、魚屋さんが開いていたので写真を撮りました。ドーム型になっているでしょう? 天井は低くて、奥行きがあります。もう1軒、もっと防空壕らしいお店があったのですが、写真を撮りづらい雰囲気だったので、やめました。酒場もあるようで、それは面白いかも。

すべては山がちなところにたくさんの人が住むことから始まっているようで、その結果として、あちこちに面白みのある街の景色ができあがっているような気がします。

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2006年8月24日 (木)

佐世保のランチなら

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佐世保といえば、佐世保バーガー、ですね。
昭和25年頃、アメリカ海軍のレシピからはじまったそうです。
マップを見ると各店バラバラ。食パンで挟んだのやら、ベーコンエッグのやら、ステーキのやら。迷うので、お腹が空いた頃に近くにある店で食べる、ということにしました。

写真のハンバーガーは、Esu & KeiのROY'Sバーガーです。これはマフィンではさんでいます。クリームチーズとハンバーグ、スパイスが溶け合っていて、すごくおいしい。
サイズは見ての通り、普通です。佐世保バーガーは大きいのが条件ではないようです。手作りであることは条件だそうです。

コーヒーはアメリカン、でした。

佐世保はほかにビーフシチューや入港ぜんざいも名物化しているそうです。これまた各店バラバラで、個性を競うのが佐世保風なのかもしれません。

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2006年8月23日 (水)

佐世保の教会

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暑い長崎に行ってきました。
ついでに足を伸ばして佐世保に(1泊2日なのに)。この写真は佐世保です。
佐世保は港があって、わずかに平地があって、そして山。
少し坂を登れば、もうこんな眺めになります。

尖塔は三浦町教会。昭和6年の建築で設計者は不詳らしいです。
その右は聖心幼稚園。昭和5年(6年という人も)の建築で、鉄川与助という教会建築で有名な方の作品だそうです。
街にとけこむ優しい姿です。

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こちらが聖心幼稚園。パステルカラーに塗られているのですが、屋根窓に銅板が貼られていて、そこが古さを感じさせます。

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教会を下(正面)から見ると全く印象が違います。
メインストリートからそびえるように建つ、街のランドマークです。

***
省エネ・モードも覚えないといけないので、今回は短めに書いてみました。

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2006年8月16日 (水)

イベントのご案内「大阪で家島を探る」

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皆さま、こんにちは。

 いつも、このブログでは事後報告しかしないのですが、今回は主催イベントのお知らせです。
 兵庫県の家島に出かけて島の魅力を探るとともに、人も育てようという試みの紹介です。
 集客に苦戦していますので、ご参加いただける方がいらっしゃいましたら・・・

 探られる島プロジェクトのホームページはこちら
 こちらを見ていただくとよく分かると思います。
 http://www.npo-eden.jp/studio-s/

 また、細野ビルヂングについては、こちらで紹介されています。
 http://www.sgy3.com/hosonobldg/

……………………………………………………………………………………
■ 第11回・まちづくり研究会
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 ━[テーマ]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「探られる島」プロジェクト2005の結果と
「探られる島」プロジェクト2006の戦略
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

   2005年秋、兵庫県姫路市家島町で「探られる島」プロジェク ト2005という魅力的な名前のプロジェクトが開催されました。

  このプロジェクトは、全国各地から募集した学生や若手社会人に、家島を「探る」ことによって、地域活性化の要素を発見してもらい、家島の新たな観光の創出を目的としています。

  また、仲間づくり、フィールドワーク、編集などの体験を通じて、学生や若手社会人のスキルアップを図り、若者がまちづくりに参加するきっかけをつくっています。
  さらに島民にとっては、新たな観光の創出へ向けてどんなもてなしが喜ばれるのかを試す場ともなっています。

  今回は、このプロジェクトの企画者であり、運命の矢が当たった家島に4年も通い、まちづくり読本まで作ってしまった西上ありささんとstudio-Sのみなさんをお招きして、 昨年の「探られる島」 プロジェクト2005と現在進行中 「探られる島」プロジェクト2006について、ご紹介いただきます。

  今回の会場は、1936年建設の細野ビルヂング(細野組・旧本社ビル)です。
  アートイベントに活用されている近代建築・・・という面もありますが、それよりも 細野組創業者の細野濱吉氏が家島出身で、大阪の築港、西宮港などの公共工事に家島の石材を使っていましたので、そのご縁でこの場所で開催させていただくことになりました。細野組はまた、御堂筋の工事や六麓荘開発で知られています。

  *まちづくり系プロジェクトの企画・運営・プレゼンテーションに関心のある方
  *若者の人材育成に関心のある方
  *リゾートではない新たな観光に関心のある方
  *家島に興味のある方
  *近代建築に興味のある方

 大阪の一番家島に近い場所で、いまの家島の魅力を探りましょう!

…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…

  ◇日 時:2006年8月16日(水)
19:00〜21:00
    ※18:30から希望者には細野ビルヂング・ミニ見学会
    ※終了後、近くのお店で懇親会も行います

  ◇場 所:「細野ビルヂング」
  大阪市西区新町4-5-7
  地下鉄長堀鶴見緑地線・千日前線「西長堀」駅、4番C出口の目の前
  http://www.sgy3.com/hosonobldg/map/index.html

  ◇プレゼンター:西上ありさ 氏 (studio-S)

   studio-S(スタジオ-エス)とは、平成13年に大阪の大学・大学院(大阪府立大学・大阪産業大学・大阪芸術大学)でまちづくりを学ぶ学生有志が自主的に立ち上げたグループです。主な活動として、旧家島町が主催していた住民主体のまちづくり活動を支援する事業「家島まちづくり研修会」で、コーディネーターとしてプログラムの企画・運営を行ってきました。現在はメンバーのほとんどが社会人となり、それぞれが「まちづくり」に関わる仕事に携わりながら、一方で studio-Sとして活動を継続しています。

 ◇参加費:1000円(KNS運営協力金500円を含みます)

 ◇懇親会費:実費程度

 ◇申込み:参加希望の方は、下記サイトのフォームから、
     「8/16 第11回まちづくり研究会参加」
と明記の上、お申し込み下さい。
        http://kns.gr.jp/eventform/


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2006年8月15日 (火)

大阪港で夏のカフェ

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日曜日、大バン(大オオサカまち基盤)さん主催の一日だけの夏カフェにお邪魔しました。
会場は、大阪港(天保山)にある商船三井築港ビルのステム・ギャラリーです。
入り口には、夏(というより夏休みかな)をイメージさせるアイテムの飾り付け。
蒸し暑さも今日だけは楽しみましょう。

カフェだから、出たり入ったりなのかと思っていたら、テーブルで自己紹介タイムだったのでびっくりしました。その後は、カフェになりましたが。ここ半年、大阪港や大バンさんのイベントに参加することが増えているので、知っている方が多いです。
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カフェメニューのフルーツ・スムージーとナッツが香ばしいシュークリーム。後でパイナップル・シフォンケーキやビールもいただきました。ちゃんと本職のスイーツ担当の方が入っておられます。

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カフェでゆっくりしているうちに日が暮れてきたので、海岸の散歩へ。今回は築港温泉のご主人が一緒だったので、いろいろ昔の様子を話していただきました。昔、先に灯台があって、台風のときに道を駆け抜ける遊びをされた、など。この日はちょうど築港の桟橋に貨物船が泊まっています。昔、南港でフェリーのチケット売りのバイトをしていました。だからフェリーは好きなのですが、貨物船も港の風景を渋く見せてくれるところがいいと思います。

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あまり知られていない、築港のボードウォーク。こんなに広々していいところなのに、来ているのは釣り客ばかり。(あとで花火をしにきた若者もいましたが) この日は淡い夕焼けでした。

これで静かだったらいいのに、あいにく対岸の南港から大音量のロックが流れてきていました。

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日が暮れたらシニアな私たちも花火を始めます。けっこう風が強くて、火を守るのが大変。花火から花火に点火してぱあっと賑やかになります。大勢でするとあっという間でした。何年ぶりの花火でしょう。家の前での花火や迎え火・送り火など、夏の景色として、もっとあった方がいいんですけどね。
(あ、花火代を払ってないことに今気づきました。どうすればいいのだろう。)

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2006年8月12日 (土)

見た目にこだわるビル

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職場の近くにあるこのビル。「ビル・リバーセンター」といいます。
ビルが見た目にこだわるのは普通かもしれないけど、このビルのこだわり、なかなかです。

まず、1階のガラスブロックに目が行きます(注:既に撤去)。最上階のガラスブロックとコンクリのブロックも気になります。両側に壁を立てていて下げた部分にも別のタイルを貼ってます。タイルは数種類使っています。
よく見ると分かるのですが、横に7枚ガラスが並んでますけど、左3つは階段室で、右4つは部屋ですので、間には壁があるというのを感じさせません。ついでにいうと最上階のコンクリート・ブロック部分は壁だけです。裏は屋上。

近づいてみましょう。

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1階のガラス・ブロック。ガラスの周りに色が巻いてあります。昔のビー玉を思わせる色合い。

(追記)残念ながら、1階部分の改修工事により、1階正面のガラスブロックは撤去されました。(2008.10.11追記)

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最上階のガラス・ブロック。また別の種類のブロックです。

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ガラス・ブロックはもう1カ所あるんです。エレベーターの前。

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私がこのビルで一番気に入っているのは、この階段。1階から見上げたところ。
らせん階段っぽいような、貝殻を思わせるような階段です。内側にまでタイルを貼ってます。

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階段側から手すりを見るとこんな感じ。美しいです。

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踊り場にはこんなスペースがあります。音叉状の柵の向こうに、昔は何かを飾っていただろうと思うのですが。何だったのか知りたいところ。
階段の脇もきっちり仕上げてますね。

全体の造形は私の好みではないんですが、ここまでこだわる心意気はいいなあと思って眺めています。

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2006年8月10日 (木)

バサラの魂

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塩飽旅行の番外編「丸亀」です。
島への行き帰りとも丸亀に立ち寄りました。
建築ではむしろこちらの方が面白くて、改めて出直したいと思っています。

何が面白いんだろうと考えて思い当たったのは婆娑羅(ばさら)。丸亀で配られている観光マップからして「ばさらマップ」なのです。日本史で出てくる婆娑羅大名の一人が、この丸亀の殿様で、この地に文化芸術を育てたそうです。そんな目で見ると思いきりのいい建物が目立ちます。それと関西方面からの金比羅詣での上陸地だったことも華やぎに影響しているかもしれません。
見ていただくのが一番なので、今回は写真中心に書きます。

まず、丸亀駅の港寄りにある津坂洋服店。もっと知りたくて検索したのですが、ヒットしたのは小道さんのHPのみ。丸亀の他の建物も紹介されています。さすが。

(追記)津坂洋品店は、2010年に解体されたようです。非常に残念。(2012.5.2記)

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同じ並びにあるタイル貼りの建物。神社の参道に華やいだ店が並んでいたようです。西側の神社やお寺の門前から東にすこーんと抜けた通りというのが、丸亀では多い気がします。

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果物屋さん、タイルもさることながら、シャッターの絵と文字をモールス信号風のドットで表現するあたり、バサラを感じます。

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同様のタイルを使った秋寅の館。まちづくり拠点施設の「まちの駅」です。
丸亀のアーケードは商売が厳しそうな状況でした。

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銀行建築にしてもどこか派手。高松信用金庫丸亀中央支店。1934年築らしいです。登録有形文化財です。

(追記)小道さんからの情報で、既に解体されてマンションが建つそうです。調べると2011年2月末から解体に入ったとのこと。登録文化財だからといって安心できないものですね。(2011.8.2記)

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本陣跡の建物。洋風の建物が増築されています。旧本陣は和風のまま残されるイメージがあるのですが。

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蔵もどことなくユーモラスです。

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住宅もこんな感じのものが。かなり奇抜なデザインですね。

060716tile極めつけだったのはこの階段です。スナックなどが入るビルの階段なのですが、よくよく見ると・・・
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ダリ風(?)のタイルが張り巡らせてあります。商売上の必要を越えて、どうしても表現したいんだという強い衝動を感じます。

こんな建築を生み出すのも、許容するのもバサラの魂があってのことかなと思うのですが。
それを確かめるにはもっと町を歩き回らないといけないようです。


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2006年8月 9日 (水)

塩飽・山寺の夏祭り

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塩飽本島の話はこれで最後ですので、もう少しお付き合いを。
私が訪れた日はちょうど山寺の夏祭りという、この島でたぶん一番のお祭りの日でした。その日に合わせて出かけたわけではないので、私にとってはラッキーなタイミングでした。

060716sandou山寺の正式名称は正覚院。天平年間(729〜748年)、行基の開山と伝えられています。山寺に至る道はかなり急で、途中で自転車を乗り捨て(後で拾いましたよ)、歩いて登るのでもかなり難儀でした。最後はあじさいの咲く参道が、林の中を一直線に登っています。
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ようやく右手に仁王門が見えました。山に囲まれた境内は、祭りのクライマックスを前に人でいっぱいです。やはり年配の方が多いようです(港からバスの送迎があります)。そうめんのお接待の話を思い出しましたが、並んでまでも・・・と思ったので、そこは素通りして、寺の裏手に回ってみました。

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するとそこは目の覚めるような絶景! 今まで薄暗い山道を歩いてきたので、突然視界が開けて驚きました。ここまで山火事で焼けたらしく、向こう側はほとんど木が生えていません。びょうびょうと吹く風。お寺は、山を風よけのようにしてうずくまっていたのです。よくここに寺を建てると決めたものだと思います。後で遠見山の展望台というところに行こうと思っていたのですが、もうこれで十分という気分になってしまいました。

ちょっと雰囲気を味わってもらうために風の音を。
「山頂の風音」をダウンロード

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山頂からはぐるりを見渡すことができます。反対側(東側)はこんな景色。瀬戸大橋が見えます。手前にいくつか池が見えます。これは昔の塩田ではないでしょうか。四国化成の所有で、塩飽勤番所で見た地図にはクルマエビ養殖所と書かれていましたが、今は遊休化しているように見えました。

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そろそろと尾根を降りると、祭りのクライマックス、大護摩供養が始まりました。法螺貝とともに山伏が入ってきます。密教の作法で、様々な呪文が唱えられ、刀が振るわれます。私はずるして、境内の上の方から眺めていたところ、いきなりこちらに矢が飛んできてあわてました(先は丸い矢です)。おそらく四方と天地の魔を退散させるのだと思います。

060715gomaようやく護摩壇に点火。風がきつくて、ろうそくの火もすぐ消えていました。苦労して火を付けるともうもうと白煙が上がります。そこに願いを書いた護摩木を次々に放り込んでいきます。

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護摩木があらかた燃え終わると、丁寧に道を整えて、火渡りが行われました。まず山伏が渡ります。

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一通りの祈祷が終わって、それだけかと思ったら、皆さんも渡ってくださいと声がかかり、今度は一般の人たちが火を渡り始めます。慣れたものです。

帰る前に売店で水でも買おうと並んだところ、なんと昨日、祭りのことを教えてくれたおばさんが店の担当です。すかさず「そうめんは食べた?」「いえ・・・」(ちゃんと食べなきゃだめじゃないの)と言わんばかりに、これをお食べなさいと寿司と飲み物をいただきました。そうめんを食べておけば良かった。でもありがたいことです。また、寺の裏手に回って、景色を眺めながらいただきました。

下り道は楽なもの。自転車で島の裏側に抜け、海岸線に沿って、島の残り半分を走りました。

のども渇いたので、最後にまた例の喫茶店に立ち寄りました。昼に来たときよりも人数はますます増えて、10人ぐらいのおじさんたちが宴会真っ最中です。マスターは「まだ、フェリーの時間まで間があるだろう」と、よく冷えて甘いしゃりしゃりのスイカを2切れ出してくれました。コーヒー1杯なのに、申し訳ないような。おじさんたちはすっかり盛り上がっています。名残惜しさを感じつつ、フェリーの時間が迫っているので、お礼を言って再び自転車に飛び乗りました。

フェリーは祭りを見に行った人たちで満員でした。
雨雲の迫る島から脱出するように、私は島を離れました。
海風のように気持ちの良い2日間でした。

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2006年8月 7日 (月)

竹中のモダニズム

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本町の御堂ビル(竹中工務店大阪本店)で開かれている「TAKENAKAデザイン展2006大阪-御堂筋から-」を見てきました。目当ては「モダニズム16人展-竹中工務店設計部の源流」。モダニズム展は昨年春に東京で開かれたものの巡回展だそうです。

竹中工務店設計部のモダニズムを支えた16人の代表的な仕事をパネルで紹介していて、若干、建築模型や昔のビル建設の映像もあります。具体的な建物の名前でいうと、朝日ビルディング、堂島ビルヂング、白鶴美術館、雅俗山荘、辰馬本家酒造白鹿館など。こういうまとまりでとらえる機会は少ないのでいい機会でした。構造設計の専門家も対等に扱っているところが建設会社ならでは。

こうやって建設会社自ら企画をしてもらえるのはありがたいことだと思います。他の建設会社もやってくれないでしょうか。

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ちなみに会場の御堂ビルももちろん竹中工務店の設計。
(この写真は側面から)1965年の建築だそうです。

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受付の机がトラバーチンで、オブジェみたいです。

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ついでに隣の相愛学園も見てきました。
校舎は戦後次々に建設され・・・で、戦後建築の寄木細工のようです。
手前角の部分は昭和初期とあちこちで書かれています。

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でも西側のこの建物もなかなか面白い。
ガラスブロックとガラス窓の入れ子窓です。(初めて使ったこの言葉)
建具がスチールなので1950年代?

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2006年8月 4日 (金)

塩飽本島に暮らす

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1泊2日で何が分かる、といわれても仕方ありませんが、島の暮らしについて思ったこといろいろ。

島に食料品・雑貨店は4〜5軒だそうです。そのうちの1軒が泊集落のこのお店。
裏通りを走っていると、そのまま店に招かれるよう。
いい雰囲気の通りだなと思いました。人影はなくて猫影。

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笠島地区で見つけた広告。コンビニはなくても、島なりの商売を始める人がいます。

***

大阪よりましとはいえ、昼間は島でも暑い。
町外れにある喫茶店に入りました。本島に喫茶店は2軒だけだそうです。

ビニール貼りの椅子がある昭和40年代風のお店では(時代推定は適当です)、3人のおじさんが魚をつまみにビールを飲んでいました。しかも、そのうちの1人はマスターです。
私はアイスコーヒーを注文。(私は紅茶の方が好きなんですがここではコーヒーの方が確実なので)大きなボトルにたっぷり作ってあって、普通以上においしいコーヒーでした。

一見してよそ者と分かる私に「どこから来た?」と声がかかり、「大阪から」というと感心されました。「今日は山寺で祭りがあるから行ってみ」とまたアドバイスをもらいます。
おじさん同士は海で採れる貝のことなど話しているようです。あれはおいしいとか、おいしくないとか、町では驚くほど高いとか。今は採る人が少ないから、あるところにはあるみたい。
「笠島には行った?」「これからです」と店を出ました。
同じ日本でこうも暮らしのリズムが違うものかと思います。

サイクリングの途中で見かけた看板やタンク。まさにライフライン。
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限られたライフラインでつながっていて、不便な面も多々あると思う島ですが、出会った島の人たちは充実した日を送っているようでした。

「塩飽・山寺の夏祭り」につづく・・・

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2006年8月 3日 (木)

静かな280年 〜塩飽本島・笠島地区

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塩飽本島の2日目、また自転車を借りて、島の北東にある笠島地区に向かいました。笠島地区は、香川県唯一の重要伝統的建造物群保存地区です(昭和60年指定)。建物は110棟余り。うち江戸後期のものが13棟、明治時代のものが20棟あるとのこと。集落は三方を低い山に囲まれ、海に開けています。左手の丘の上には城跡があり、笠島は城下町的な要素のある町並みだそうです。

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笠島まち並み保存センター(真木(さなぎ)邸)。
真木家は塩飽諸島を統治する年寄を務めた家柄だそうです。建物は江戸時代のもの。
この広いお屋敷は内部を観覧できます。

高橋さんという方が笠島の歴史について語ってくださいました。はしょって言いますが、江戸中期まで廻船の船方の町として繁栄していた塩飽は、各地で発達した新興の廻船に押されて、280年前、権利を大阪の廻船業者に譲ることになったそうです。船員は他の廻船業者のもとでも働けますが、船大工は仕事がなくなります。そこで、寺社や住宅の大工となり、腕のいい塩飽大工として、全国に散ったそうです。大阪など各地に定住する人も出てきますが、時々は塩飽の家に戻って管理をしていたのだとか。町並みを見ていて、近代建築がない理由が分かりました。明治維新よりずっと前に静かな町になっていたのです。その後も伝統的な建築が建てられ続けたのは、塩飽大工としての意地もあったのかもしれません。

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この町並みで私が気に入ったのはこの眺め。
こうして障子を開けると通りは廊下のようなんです。気分のいい開放感。通りがきれいで生活感がないせいもあるのかもしれませんね。

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塩飽大工の技を感じたこの建物。このカーブに合わせた建築は船大工の技でしょう。

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こちらはふれあいの館(小栗邸)。廻船問屋の建物だそうです。軽食、飲み物を提供するスペースになっていて、うどん、うどん大、ホットコーヒー、アイスコーヒー、夏みかんジュースがメニューのすべて。私はうどんと夏みかんジュースをいただきました。

このほか、公開されているのは文書館(藤井邸)。
笠島地区では年に2〜3軒ずつ建物の修復が進められているそうです。
観光客向けの土産物屋も食べ物屋もなく、観光客で稼ごうという意識はあまり感じませんでした。
さきほどの小栗邸の近くには、よろず屋があり、「○○ちゃんは来てないの?」「まだ夏休みに入ってないわよお」というような会話が交わされていました。観光客より孫です。

この日は写生大会があるとかで、小学生がたくさん絵を描いていました。
いつもより少し、賑やかだったと思います。

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2006年8月 2日 (水)

夕陽は海に沈まない

民宿の奥さんに「夕陽を見るのにいい場所ありますか?」と聞いてみたところ、返ってきた答えは「夕陽は海に沈みませんからねえ。島があるから」 そうここは瀬戸内海。でも「写真を撮る人は島の北西に行くみたい」というヒントをもらって塩飽本島半周のサイクリングに出発しました。

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これがレンタサイクル。翌日、無人の屋釜海水浴場で撮った写真です。1日目はもう少しだけ新しい自転車でした。

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島の南西には小阪の集落があり、大山神社があります。神社にこんな石碑がありました。島で鯛の建網漁を開発した人を称える昭和3年の記念碑です。素朴な文字ですが、感謝の気持ちが伝わってきて、いい記念碑です。

この神社を見ていると、通りがかったおばさんに声を掛けられました。「どこから? いつまでいるの?」「大阪から、明日まで」と答えると、「山寺でお祭りがあって、そうめんのお接待があるから、ぜひいらっしゃい」と教えてくれました。(行くつもりではあったんですけど)「それから、そこの角を曲がった阿弥陀寺もご覧なさい」、そうおっしゃって、おばさんは立ち去りました。

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阿弥陀寺には弘法大師が作った阿弥陀如来をまつったという縁起が書かれていました。
阿弥陀寺に登ると小阪の集落がよく見えます。親しみを感じる距離感です。

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この小阪の集落を過ぎると、道は登りになり、しばらく民家はありません。
島の西半分はほとんど木が生えておらず、岩がごろごろしている異様な姿。しばらくして気づきました。これは山火事のあとなんです。平成14年に大きな山火事があり、島の4分の1を焼いたそうで、黒こげの幹がまだ残っています。

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岬を回って下りきるとそこにあるのは、西海岸の見所、この夫婦倉。か、かわいい。ちっちゃくて、実物を見ると写真よりかわいいです。建物を見て、かわいいと思うことはあまりないのですが。
嘉永5年(1852)、薪廻船業を営む新屋の土蔵として建てられたそうです。
海のすぐ近くにあるので、海からもよく見えたはず。

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夫婦倉の見ている海はこんな海です。
向かいは讃岐広島。その間には大潮の干潮時に現れる浅瀬があるそうです。

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また、西海岸の尻浜には、水見色小学校があります。
架空の小学校(廃校を改造したのですが)で、映画『機関車先生』のロケ地だそうです。

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自転車が島の北西に差し掛かり、西海岸の尽きる頃、福田の漁港で夕陽の光条を見ることができました。
結局、教えてもらったあたりの場所になりました。
たしかに島だらけで、海に沈む余地はありません。

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少し、太陽が顔を覗かせました。
今日のサイクリングもこれで折り返しです。
塩飽本島西海岸のサイクリングは、高いところから多島海を眺めることができて、お勧めできます。

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2006年8月 1日 (火)

日本映画『ゆれる』

2006年、日本、119分
原案・脚本・監督:西川美和
舞台:山梨県、東京 ロケ地:山梨県富士吉田市、新潟県津南町(吊り橋)、東京
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梅田スカイビルのシネリーブル梅田で『ゆれる』を観ました。
観る前から楽しい話ではないなあ・・・と分かった上で観るのですが、やはり重い話です。

東京でカメラマンとして成功している弟、故郷山梨でガソリンスタンドを継いだ兄。久しぶりに会った二人が幼なじみの女性と峡谷に遊びに行ったところ、女性が吊り橋から転落。一体何が起こったのか?

西川監督は、兄弟を追いつめ、確執をえぐっていきます。
その徹底ぶりはみごとなまで、兄役・香川照之の全力の演技もすばらしいのですが、私はちょっと賛同できないなという感想です。人の心の汚ない部分をさらけだせば、そこから本当の関係が生まれるんでしょうか? 私には布団を叩き続けて、どんどん埃を出しているように見えるのです。映画には、汚れを認めた上で受け容れる道を期待したいのですが。

後でパンフレットを読むと、監督自身、本当は優しくてハッピーな作品を撮りたかったのに、この映画の原案となる「夢」を見て(ってすごいですね。前作『蛇イチゴ』も夢が原案だそうです)、方向転換したそうです。やむにやまれずはき出したということでしょうか。

観る価値のない映画だとは思いません。
年に10本ぐらい映画を観るなら、そのうちの1本としては良いと思います。
...
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梅田北ヤードは着々と工事が進んでいます。
この広い空が見られるのはあとどれくらいでしょうか。

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