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2006年5月 4日 (木)

10年ぶりのハノイ(7)スコール!

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来るな...
ベッドの中でばらばらという雨音に始まってゴウという大雨を聞いたのは昨晩のこと。この日、若干涼しくはなったもののまだ湿気を含んだ重い空気で満ちていました。
この写真の湖は、昔、国を統一した王が大亀に剣を返したという伝説のあるホアンキエム(還剣)湖です。この湖の南は昔のフランス人地区で、北はハノイ36通りと呼ばれるベトナム・中国人地区。博物館から旅行社をへて、この湖まで歩いてきたとき、空の色で夕立は間近いことを悟りました。スコールと言った方が南国らしいでしょうか。

湖の東岸を北に歩くうち、しだいに西風は強まり、街路樹の枯れ枝がほおに当たります。
ハノイ36通りに入ったとき、とうとう雨が降り出しました。
本格的に降られると手持ちの折りたたみ傘では通用しないので、開けていない店の軒下に、居合わせた数人とともに雨宿り場所を確保しました。

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最初はおとなしくぱらぱらと来るのですが、ぱらぱらがバラバラになると、向かいの英語塾から「きゃあああ〜」という子供たちの楽しさ混じりの歓声が狭い通りに反響して、右へ左へ駆け回ります。自転車やバイクの人は、どこからか大きなレインコートを引っ張り出してかぶり始めて、みな大あわて。

060504squall3周りの店の人は、商品を引っ込めたり、ビニールをかぶせたり、ハンドル付きの長い棒をひさしに当てがい、くるくるとアーケードをせり出し始めます。このハンドルは共通のものらしく、休みの店の分も出してあげるあたり、町の人情を感じます。

やがて、あれだけ道を埋め尽くしていたバイクはすっかりどこかに消え、たまに帰ってくるバイクがあるぐらい。同じ庇に雨宿りしている二人は日本人のようで、声をかわさないまま連帯感を感じていましたが、彼らはどこからか車を呼んでこの場を脱出してしまいました。

取り残された気分の私はやや小降りになったのを見計らい、近くの町家博物館まで移動しました。
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町家博物館は、町家そのものを保存している博物館です。
ハノイの町家はウナギの寝床と言われ(言ってるのは日本人ですが)、京都の町家のように間口が狭く、奥行きが長いものです。建物と中庭が交互に並び、非常に風通しがよいことは、このような天気の日にはよく分かります。とても快適。雨宿りですから、できるだけのんびりと中庭を見上げ、2階から見下ろし、部屋を見て回りました。

室内には、版画や焼き物、刺繍など土産物がぎっしり並べられていましたが、どうも買いたいようなものはありません。入り口まで戻り、受付のテーブルに、ウォーキング・マップやハノイの街に関する本が積まれているのを見つけました。雑多な本、冊子のベトナム語版、フランス語版から英語版を選り分け、それだけ買って帰りました。植民地期の街路図を載せた本など、役に立ちそうです。

雨もほぼ止み、博物館も閉館時間が近くなって、私は再び外に出ました。
隣の家では葬式をしています。今回の旅行で出会うのは、葬式ばかり。
旧市街の中を気ままに歩きながら、ホアンキエム湖の方へ戻っていきました。

ちょっと休みたいなと思っていたときに目に入ったのが、船の後部デッキを思わせるようなシティー・ビュー・カフェです。そこに上がってみることにしました。エレベーターで5階です。
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ここからの眺めは下から想像した以上の眺め。旧市街にはそれほど高い建物はありませんから、遠くまで見渡せます。私は交差点を見下ろす端の席に座りました。ホアンキエム湖側にもデッキとテーブルがあって、湖を一望できます。こちらも捨てがたい眺めです。

自分でもおっちゃんぽいなと思いながら、生ビールとサイゴン風チャー・ゾー(揚げ春巻き)を注文しました。これってビアガーデン? ともかく、スコールで冷やされたまま日没を迎える空気は心地よく、町の屋根越しに沈む太陽も見届けることができました。空はほとんど晴れ上がり、繊細な雲が夕陽を受けています。

雨が止み、涼しくなったので、バイクもさっき以上に町に繰り出してきました。そんな人、バイク、車が行きかうさまを眺めているとなんとも気分が良くなります。ゆっくりのびをするように、このカフェで時間を過ごしました。

夕方、ハノイの街でスコールに遭ったら、ぜひシティー・ビュー・カフェに上がってみてください。
(こんなことよくあるんだろうと思ったのですが、こういう激しいスコールはハノイでは珍しいと後で聞きました。)

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コメント

はじめまして。ハノイに興味があり、拝見しました。『雑多な本、冊子のベトナム語版、フランス語版から英語版を選り分け、それだけ買って帰りました。植民地期の街路図を載せた本など、役に立ちそうです』とありました。実は植民地時代のハノイについて調べていて、当時の地図などを探しているのですが、街路図は結構詳しかったでしょうか?差し支えなければ、発行元などの情報を教えてもらえないでしょうか?

投稿: whiskey | 2008年11月14日 (金) 23:47

whiskeyさん、はじめまして。
書き込みありがとうございます。
植民地期の街路図を載せた本というのは、タイトルが「Preserving Hanoi's Architectural And Landscape Heritage」、発行元がCONSTRUCTION PUBLISHING HOUSEで、著者はMINISTRY OF CONSTRUCTION RESEARCH INSTITUTE ON ARCHITECTUREです。1999年発行で52ページ。
街路図は略図で詳しくはありませんが、1490年、1831年、1873年、1902年、1936年の地図が載っています。
コメント欄で相談もなんですので、メールをいただければと思います。
よろしくお願いします。

投稿: びんみん | 2008年11月15日 (土) 02:18

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